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【特集・おもちゃドクター】たくさん遊んで壊れたおもちゃ「直してくれてありがとう。大事にします」職人技で復活 笑顔溢れる「おもちゃの病院」~マイチャン。スマイルアクション~ 

2024年12月2日 18:17
【特集・おもちゃドクター】たくさん遊んで壊れたおもちゃ「直してくれてありがとう。大事にします」職人技で復活 笑顔溢れる「おもちゃの病院」~マイチャン。スマイルアクション~ 

テレビ信州は信州の子どもたちを応援するプロジェクト「マイチャン。スマイルアクション」を2日、スタートさせました。キャッチフレーズは「ひとりひとりのミライにフォーカス」。放送や配信、イベントなどを通じ、子どもと、子どもに関わる全ての人の未来を地域と共に考え、行動し、笑顔を増やしていきます。2日は子育て世代に大好評。子どもの笑顔が溢れる「おもちゃの病院」に迫ります。

おもちゃドクター
「(電源)入れても鳴らないの?」
子ども
「鳴らない」
おもちゃドクター
「そうなんだ」
おもちゃドクター
「どうしたの?」
子ども
「動かなくなっちゃった」

次々と運び込まれるのは壊れたおもちゃ。ここは、定期的に開かれる「おもちゃの病院」です。

おもちゃの病院ながの長谷川俊男代表
「おもちゃ、捨てられるのはかわいそうですので、直せるものは直して使っていただいて、親御さんとかお子さんの喜ぶ顔が非常にいいので。それでやってますね」

修理するのは「おもちゃドクター」と呼ばれるボランティアです。修理費用は掛かりません。
全国的な取り組みで県内では10か所で開かれています。

この日、長野市の会場で「おもちゃドクター」を務めたのは60代から80代の男性8人です。電気や機械、木工関係などの分野で活躍してきたその道のプロもいます。

おもちゃドクター
「これシャフトが壊れちゃったんか?これは重傷だなあ」

こちらの小学生は動かなくなってしまったラジコン2台の修理を依頼しました。ラジコンは今にもタイヤが外れそうです。

子ども
「エンジンとタイヤの部分が壊れてしまって、おもちゃ病院に来ました。いっぱい遊んできたから…」
Q.思い出があるのかな?
子ども
「うん」

すぐに直らない場合はいったん預かって修理します。いわゆる「日帰り入院」です。そのため、「おもちゃドクター」は休む間もなく大忙し。自前の工具で黙々と修理を行います。

おもちゃドクター
「ここがね、ピンがなくなっちゃてたのでこれ(他のもの)に付け替えて」

ラジコンの外れたタイヤを留める部品がなく代わりに使ったのは2ミリほどのクギ。こちらの「おもちゃドクター」は長年、土木業に携わっていたため、職人技が光ります。

おもちゃドクター
「うれしいですね、はい。直す方法をいろいろ考えてうまくいったときがうれしいです」

ラジコンの持ち主
「動作確認」
ドクター
「ばっちりだ。うん」

Qおじさんたちさいろんな部品使って直してくれていたよ。

子どもは
「すごいと思って。大事に使いたいと思います」

母親
「一つ一つサンタさんに何歳のときにもらったよねっていうのは子どもはよく覚えていて思い入れがあるみたいで。やっぱりそういうのを大事にすることで子どももものを大切にする気持ちが育ってくれればいいなと思います」

自宅取材したドクター丸山さん
「中身のおもちゃ直すよりね。裁縫の方が大変!」

長野市の丸山善基さん77歳です。オルゴールが鳴らなくなってしまったという人形。持ち主は購入して時間が経っているため、修理は諦めていたといいます。

持ち主
「良かったですね。ダメだと思ってたのにうれしい。ありがとうございます。良かったね、良かったね」

丸山さんの本業は電気工事。今も仕事は続けています。最初は、1人でおもちゃの修理を受け付けていましたが、10年ほど前に団体に加わり、活動しています。

丸山さん
「ここが仕事部屋です」

元々は仕事の材料や道具を置くために使っていた6畳ほどのプレハブ小屋が現在の作業部屋。所狭しと並んでいたのは国内外の有名な建物を再現した模型です。材料は撤去したエアコンに使われていた銅製のパイプ。自分で板状に伸ばして使います。取材中、丸山さんが作り始めたのはかわいらしい花。材料に使われているのは通信ケーブルをばらし、中から取り出したカラフルな電線です。

丸山さん
「近くの道路を通る子どもに作ったものをあげていますけどね。土日とか暇な時、まーるやーまさんってここに来るんです」

丸山さんの作品作りを知った近所の子どもたちが訪れ、交流が始まったといいます。

(おもちゃと子ども)
「まるやまさんありがとう」

今まで数個のおもちゃを作ってプレゼント。近所の子ども園にも頼まれ、木馬や生き物の模型を贈りました。おもちゃ作りを通じて地域の子どもを見守る丸山さん。自身も3人の子どもがいますが数十年前は仕事が優先で子育てはほとんど妻任せでした。

丸山さん
「自分の子どもたちと私は交流したってのは本当に少ないですね。私、孫が7人いるんですけど、やっぱり近所に同じぐらいの年格好の子どもがいてそういう子どもを見ると今は一緒に遊んであげたいなという気持ちになりますから」

やりがいとなっている「おもちゃドクター」。

自分が子どもだった頃と比べて今は親が子どもに気を使う時間が増えていると感じています。

丸山さん
「すごく明るい社会や家庭になっていると思いますけど、交流を持つ時間をできるだけ多くして楽しい会話をしていってもらいたいですね」

子ども
「え!」

「カメラに向かってうれしいよって」
子ども
「うれしいよ」


「お騒がせしました。助かります」

母親
「すごーい!すごい」

丸山さん
「(修理で)四駆外れたから雪道はダメだど」

子ども
「雪ダメ?」

ドクター
「雪道とね、山道はダメ」

母親
「動くね。ありがとうございました、本当に」

おもちゃドクター
「退院おめでとう」

この日もたくさんの子どもの笑顔が咲いた「おもちゃの病院」。温かい気持ちで子どもを見守る「おもちゃドクター」の活躍はまだまだ続きます。

最終更新日:2024年12月2日 19:36
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