松本パルコ・井上本店 閉店最後の初売り 別れを惜しむ買い物客・店員 それぞれの特別な日に
今年2月に閉店する松本パルコと、3月に閉店する井上本店。
いずれも松本市のシンボル的存在の2店舗が最後の初売りを行いました。
別れを惜しむ買い物客と店員、それぞれにとって特別な1日となりました。
今年3月末で閉店する井上本店。
閉店まで残り2か月を切った、松本パルコ。
1月2日、ともに最後の初売りの日を迎えました。
■井上本店
年末。井上本店では、今回が最後となる福袋の準備に追われていました。
井上 販促企画部部長 草深智明さん
「(福袋の)商品の選定をするのは9月ぐらいで10月ぐらいには商品をおさえて。本店では最後の初売りとなってしまうものですから、最後に楽しみにお客様にいらしていただければと思って一生懸命みんなスタッフと準備をしております」
1885年、明治18年に呉服店としてスタートした井上。その後、百貨店へと形をかえ、140年にわたって多くの市民に親しまれてきました。
そんな老舗百貨店の初売りで、毎年、恒例となっているのが福袋です。
12月
最後の福袋を担当する入社10年目の山地さん。
福袋担当山地奨さん
「しっかりと担当するようになったのはここ3年ぐらいですね。それまでもお手伝いという形で10年ぐらいずっとやらせてもらっています」
今年の福袋は、創業140周年を記念して1万4000円の福袋を用意しました。中身は、フライパンをはじめとする1万5000円相当のキッチン用品と1万円分の商品券、例年よりお得な商品を揃えました。
最後の福袋に、社員も特別な想いを込めます。
♪福袋担当 山地奨さん
「寂しいなという思いと、いっぱいお客さん並んでいただければと、ちょっとワクワクしています。」
井上本店1月 2日。迎えた初売り当日。
開店を前に、長い列。
もちろん、お目当ては福袋です。
Q「何時ごろから並ばれていますか?」
客
「きょうは7時50分ごろです。ここ十数年はご無沙汰していたんですけれど、今年は井上さんが閉店されてしまうので最後ということで来ました」
中には、県外から買いにくる人も。
Qきょうはどちらからですか?
「静岡です」
Q「わざわざ?」
「わざわざこのために。ここが楽しみで毎年きてるね」
午前10時。開店と同時に整理券を手にした買い物客は7階の福袋売り場へ。
福袋購入した人は
「昔はね毎年並んだんです。ここの福袋で家の毛布はまかなったぐらい。もう最後だし記念だと思ってきました。」
福袋購入した人は
「毎年は買ってないんですけれど、閉店になるということで記念に。ちょっと寂しいという気持ち半分と(福袋が)Getできてよかったなというのと半々です。」
用意した100個は昼には完売。初売りの3日間、井上本店は例年以上の買い物客でにぎわっていました。
■松本パルコ12月(31日
一方、2月末で閉店する松本パルコ。
1984年に誕生し、流行の発信地としても愛されてきました。
紳士服ブランドのテナントで店長を務める蜜澤英明さんは、服飾系の専門学校を卒業後、38年間、ここで働いています。
パルコの歴史とともに歩んできました。
蜜澤さんにとっても最後の初売り。
蜜澤英明さん
「セールさっき数えたら76回やっているので、本当に最後というところでいいお買い物していただければと考えております」
大晦日の夜、初売りの準備を終えました。
年が明けて2日。パルコにも長い列ができていました。
一番最初に来た人
「朝4時から来てるんですよ。(パルコは)本当に青春の場所というか、学生時代結構きていたので思い出の場所ですね」
初売りで並ぶ人
「毎年来ていたから並んで」
開店時間を10分早めてオープン。
蜜澤さんの店にも早速、お客さんがやってきました。昔を懐かしみながらの買い物です。
「10年前くらいですよね、一番すごかった時って。普通に9時ぐらいに来て1時間前に来て駐車場入ってまだ待って2、30分前にお店に並ぶかって」
この日も気に入った洋服を購入していきました
常連客
「こちらはたぶん10年経つか経たないかぐらい。」
Q蜜澤さんの接客は?
「最高です!」
蜜澤さんの接客にほれ込み10年以上店に通う常連客も。
常連客は
「毎年2日って決めているんですよ。店長さんとも10年以上もっとかな。この日は定番で決めていて。やっぱり買っているの覚えてくれているんですよ。これ持ってますよねとか」
蜜澤英明さん
「朝からお得意さんが結構来て頂いてありがたいです。毎年結構込み合う感じですけれど以前に比べれば静かなお正月ですね。お客さんにとっても思い出深いパルコだと思うのでいい思い出のまま閉館できるようにしっかり接客していきたいと思います」
最後の初売り、買い物客にとっても店にとっても、記憶に残る1日になったようです。