【特集】冷凍庫から好きなスイーツを!大量購入する客も…急増する『無人販売店』その問題点とは?【長野・伊那市】
長野・伊那市駅からすぐのとろにある無人グルメステーション。この夏リニューアルされ駒ケ根市の中心部にも新店舗がオープンしました。
いずれも24時間365日従業員ゼロで営業しています。
北沢ななか記者
「伊那市の無人販売店です。こちらには3つの冷凍庫が並んでいます。真ん中のスイーツの冷凍庫は今年7月に登場しました」
Cake.jp佐藤さくらさん
「長野県民の皆さんは結構スイーツがお好きかなということで、スイーツの展開をしたかったっていうのと、この辺りに競合店舗がなかったので」
北沢ななか記者
「購入方法なんですが、こちらの冷凍庫から好きな商品を取り出します。取り出したスイーツの合計金額をこちらの料金投入口に投入します」
スイーツの種類が豊富 見た目も映えるものが多い
支払いは一度お金を入れると取り出せないボックスへ。そのためお釣りは出ません。お釣りがいらないQRコード決済が使用できます。
商品は全て冷凍。季節によって異なりますが全国から集められたおよそ10種類のスイーツが並んでいます。見た目は映えるものが多くお土産にも使えます。
小椿キャスター
「いただきます。うん。すごく本格的な味でこれならちょっとお仕事の後にもケーキ屋さんには寄れないけどお友達にお土産にしたいなっていう時もいいかもしれないです」
Cake.jp佐藤さくらさん
「人件費をかけずに効率よく購入していただけるっていうところは利点だと思っております」
スイーツ部門をプロデュースしているケーキジェーピーは定期的に都内で新作ケーキの発表会を開いています。一流パティシエや菓子メーカー不二家などのケーキが展示されました。
Cake.jp佐藤さくらさん
「私どもはケーキスイーツ専門通販サイトを運営してる会社なんですけれども、そのサイトの中で一番人気の最新トレンドのスイーツを取り扱わせていただいております」
駒ケ根店で平日の正午からおよそ8時間カメラを置かせてもらいました。
夕方から夜にかけて客の出入りが目立ちました。夜になってから大量のスイーツを購入する客の姿もありました。
客は
「お店閉まっちゃうもんで、ありがたいですよね。お釣りが出ないっていうのがね。小銭を持ってくるような形ですね」
コロナの中で増えた無人販売店。きっかけは餃子でした。
きっかけは餃子の無人販売店 2年で10倍
帝国データバンクによりますと餃子の無人販売店は3年前、全国で131店舗でした。
ところが去年は1282店舗。わずか2年で10倍の増加となりました。増加の理由はコロナ禍の「事業再構築補助金」を利用できたこと。客足が途絶えた飲食店や他業種からの参入が多かったということです。
長野市の北しなの線・北長野駅から北西に1kmほどのところに地元で人気の餃子店があります。2017年にオープンした店は今年1月から無人販売を始めました。
北沢記者
「きょうは火曜日、無人販売の日です。お店には従業員の方はいらっしゃいません。餃子はこちらの冷凍庫には全て1000円の餃子が並んでいて、料金箱にお金を入れる仕組みです」
毎日手作りの餃子で、多い時は1日2000個を作る人気店です。無人販売は坂城町から通う店主が時間の効率化を図るために始めました。定休日だった火曜日と、水曜日から日曜日の午後6時から2時間を無人販売にしたのです。
販売できる時間が伸び、人件費も抑えることができ効率がアップしたと言います。
24時間無人販売 課題も・・・
一方こんな課題も。
「本当にほかのお客さんが来るんじゃないかとか、キョロキョロする様子もなく、変に落ち着いてるというか、もう、ごっそり持ってってるんで」
今年8月静岡県浜松市にある肉の無人販売店で3日連続大量の肉が盗まれる事件が起きました。
8月1日午前1時すぎ。無人販売所に入ってきた1人の人物。1分ほど店内を見て回った後、冷蔵庫から肉を取り上げ、持参したバッグに入れ始めます。その後、次々と大量の肉をバッグに入れたこの人物は清算することなく店の外へ。
わずか4分間に1万円以上の肉を盗みました。
店のオーナーによりますと商品の数とレジのデータが合わないことから窃盗の被害に気づき、防犯カメラを確認すると犯行の一部始終が映っていたということです。
「2日目ですね。入店して10秒で商品を(バッグに)入れてますね。」
3日間で盗まれた品はサーロインステーキなど高額な商品を含むおよそ100点でした。
被害に遭った店のオーナーは
「やはり怒りですよね。店舗の売り上げとしては9万円っていうのはかなり大きい数字でしてそれを万引きされてしまうと赤字になってしまいます」
無人販売店が増加するとともに目立つ窃盗事件。
長野市の餃子店は防犯カメラはありますが、あえて24時間の営業をしないことで万引を防いでいます。無人販売から8ヶ月、被害は1度もありません。
一方、24時間店舗では。
Cake.jp佐藤さくらさん
「24時間監視カメラを取り付けさせていただいていることと、遠隔でお客様にお声がけさせていただく場合もございますし、お店に入られたかどうかというのは本部の方に伝わるようになっております」
人件費を削減できる無人の販売は店側には大きなメリットがあります。
防犯対策を駆使しながら新しいライフスタイルに定着しつつあります。
(テレビ信州「newsevery.」2023年10月5日放送)