上高地の真っ白な冬景色 大正池と穂高連峰が魅了!テレビ信州が注目!美しさと静寂が話題に!
年間100万人以上が訪れる上高地。その豊かな自然をありのままに見せてくれるのは、冬が訪れるまでの200日余りです。静寂と凍てつく空気、そして真っ白な雪に閉ざされた冬。知られざる上高地へ、空からの景色で誘います。
厳しい冬の上高地ですが、専門的な知識を身に付けたガイドを伴えば、足を踏み入れることも可能です。入り口は釜トンネル 。徒歩で1.3キロの急坂を登って行きます。今回のガイドは、信州まつもと山岳ガイド協会やまたみの、原口剣太郎さんです。歩き始めておおよそ1時間が経ちました。トンネルを抜けて・・・
菅野アナ「うわーすごい! 見てっ!あれは何岳ですか?」
原口さん「あれは焼岳という山です」
菅野アナ「焼岳ですよ!」
さらに、もう一つのトンネルを抜けて行ったカーブの先に、いよいよ見えてきたのは…
菅野アナ「この絶景が!すごい!目の前に見えるのは穂高連峰ですか?」
原口さん「はい、穂高連峰ですね 」
菅野アナ「スゴイ! どこまでも歩いて行きたくなる絶景が、次々と迎えてくれます」
出発からおよそ1時間半。たどり着いたのは、大正池です。目の前に立ちはだかる焼岳が、この風景を作りました。大正池は、その名の通り大正4年、焼岳の大噴火で押し流された大量の泥流が、梓川の 流れをせき止めてできました。清らかな水面と、穂高連峰の峰々。大自然の気まぐれが作った絶景です。
ここから先は、いよいよ雪が深くなります。スノーシューを装着して、先へ向かいます。
菅野アナ「河童橋は3キロですって」「これはウサギの足跡」
原口さん「私たちが目にすることは滅多にないと思い ます」
菅野アナ「ほかにどんな動物がいるんですか?」
原口さん「あとは ネズミの仲間とかサルなんかもいますけど、サルは見るチャンス があるかもしれないです」
そのチャンスが訪れました。親ザルの背中に、ちょこんと乗ったかわいい子ザル。 観光客が訪れないこの季節は、 動物たちの時間です。 釜トンネルを出発してゆっくり歩いておよそ4時間。上高地のシンボル、河童橋が迎えてくれました。
菅野アナ「上高地といえば、着きました。ありがとうございました」
夏にはサンダルやハイヒールさえ珍しく なくなった上高地。 しかし深い雪に包まれたこの場所は、やはり、大自然の奥深くなのだと実感させてくれ ます。
菅野アナ「頂上に積もった雪は、白っていうか、若干青にも見えるような。コントラストがなんかすごいいきれいですよ。これを見るためだけに、ここに歩いてくるっていうかいがあります ね。山が迫ってくる感じがします」
一切の宿が、扉を固く閉ざした冬。テントを張ることが唯一許されている 、小梨平キャンプ場で一夜を過ごします。楽しみなのは、温かなキャンプ飯。ガイドの原口さんが作ってくれたのは、野菜たっぷりスープ。 指定されたトイレで用を足し、散策道から出 ないこと。天候の変化や寒さに対応できる装備を準備すること。ルールを守り、専門のガイドと足を 踏み入れれば、上高地は、自然の厳しさと尊さを教えてくれ ます。
朝6時半。穂高連峰にゆっくり朝日が差し込み始めました。空と山肌が刻々と色を変えていきます 。「モルゲンロート」と呼ばれる現象です。
原口さん「 昨日テントの中で夜、ちょっと雪降ってまし たのでダメかなぁと思ったんですけども、朝見たいものが見られたなというふうに 思います」
菅野アナ「なかなかの一般の方が気軽に来られる場所ではないんですけれども、それだからこそ見られる達成感というか、自然の雄大さを改めて感じました」
冬の上高地。
静かに、 けれど確かに、豊かな自然がそこにありました。
(テレビ信州「news every.」2022年1月10日放送)