秋の値上げラッシュ。10月、主要食品メーカー195社が2911品目の値上げを発表しました。

松本市内 女性 80代
「もう節約節約の時代になっちゃったね」

値上げの影響は老舗スーパーにも…。

魚万汲田 汲田和穂社長
「弱ったね メーカーは“はい上げます” “きょう出荷分から上げます”ひと言で終わりなんだけど」 短めで

さらに1枚63円だった郵便はがきも10月1日から85円に。年賀状100枚なら2200円のアップです。

「1枚のハガキ22円上がるんですって」
ハガキについて 80代女性
「わ～ じゃもう携帯でやっちゃう。でももらう人は年賀状の方がいいよ」

女性 80代
「なんでも今風の物は私どもの歳になると苦手なので（値上がりしても）それでも 書いて伝えたいと思います」

女性 80代
「光熱費なんて今年は暑かったから もうフルに（エアコンを）使っちゃいましたけどね2倍にはなったね」

女性 50代
「あんまり値上がりしてほしくないけど どうしても働いている人たち 物流とかもね 苦しい思いして働いてるんで全体的に値上がりしちゃうのしょうがないかなってのはありますね」

きょうの特集は、家計にひびく「秋の値上げ」です。

この10月から値上げされた？値上げが発表された？商品の一部をこちらに並べてみました。

このように、値上げが相次ぐこの10月ですが、悲鳴を上げているのは消費者だけではありません。

魚万汲田 汲田和穂社長
「いらっしゃいませ」

松本城から500メートル。松本市にある魚万汲田は創業105年の老舗スーパー。長年、地域の住民に支えられてきました。

魚万汲田 汲田和穂社長
「弱ったね メーカーは“はい上げます” “きょう出荷分から上げます”ひと言で終わりなんだけど 我々にしたらそうはいかない。お客さんにあらまた値上げなんて言われちゃうでしょ それが一番つらい」

今年2月に店をリニューアル、電気代を抑えるため店内の照明をLEDに変えました。一方で、500円だった名物の弁当は200円の値上げに踏み切りました。

そして迎えた、値上げの秋。

弁当は今回据え置きで踏みとどまりましたが…。

魚万汲田 汲田和穂社長
Qちょっと申し訳ないけど値上げしたよっていうものは「した おにぎり。20円（あげた）。お米が若干上がった。それ以上に上がったのは 海苔なんだよ海苔は倍になっちゃったから、申し訳ない」

130円のおにぎりを150円に。苦渋の選択でした。

その一方で、安い商品も並べたいと工夫を凝らします。

魚万汲田 汲田和穂社長
「ちょっと小ぶりとかさ ちょっと粒が小さいとか だけど食べては味にぜんぜん変わりがないとか安い物見つけてお客様に提供できればいいじゃん」

市場で仕入れている強みを生かして、その日その日のお買い得な商品を揃える汲田さん。小粒なシャインマスカットに梨、曲がったキュウリは家計の強い味方です。

また、秋に値上がりした商品は、値上がり前に、できる限り買い付けました。在庫の底が着くまでは値上げ前の価格を維持するつもりです。

※華陽麺坊

松本市の元町にある「華陽麺坊」。中国出身の店主が作る本格中華の店です。ここにも、物価高の波が押し寄せていました。

しびれるような辛さが売りの麻婆丼は、ランチタイムには？？ワンコイン500円で提供される人気メニューでした。ところが、10月からは泣く泣く50円の値上げ。

華陽麺坊 高 保華店主
「最初開店した時は麻婆丼は460円だった。今材料費なども上がって今もっと高い（今までの値段だと）難しい。」

華陽麺坊 金井慶子さん
「お米が思いもよらない金額に値上がったりしてその辺を踏まえて、今後もちょっと値下がることはなさそうなのでちょっとここで価格を上げさせてもらおうかなと」

それでも、平日の昼には客足が途絶えることはありません。

客は
「インフラ関係が値上がってきているということは、当然ながら個人で商売やって人というのはそこの価格が上乗せされていくから、とれる利益がどんどん減っていってしまうから上乗せするしかないですよね。（値段が）すごい安いなと思った。これで値上がりしているなら、良心的で学生なのでこれでもまだありがたい」

これまでは少しでも安く材料を仕入れてしのいでいましたが、押し寄せる物価高の波にはかないませんでした。

華陽麺坊 高 保華店主
「今は昔の値段と全然違うから何年も我慢してきた。その分満足してもらえる料理を頑張ります一緒に」

地元に根付く店は、あの手この手で値上げの秋を乗り切ろうとしています。