57年ぶりに一般公開へ 日本画家 東山魁夷の壁画作品の下図 「朝明けの潮 色分け大下図」
「57年ぶり」に一般公開されます。
昭和を代表する日本画家、東山魁夷の壁画作品の知られざる下書きの図=下図が28日メディア向けに公開されました。
多くの関係者が見守る中、慎重に設置作業が行われた1つの壁画。大きさは実に、縦およそ4メートル幅15メートルにも及びます。
「朝明けの潮 色分け大下図」。
信州ゆかりの日本画家、東山魁夷が宮内庁の依頼で描いた壁画の大下図、いわゆる本番の制作にあたる前に色や構図の細かい部分を確認するために描いた実寸大の下書きです。
来年、長野市にある東山魁夷館の開館35周年を記念して展示が予定されていて28日、メディア向けに公開されました。
信州の自然を数多く描いたことでも知られる東山魁夷。
1968年に完成した「朝明けの潮」は、生涯の中でも最大規模を誇り、今も「皇居宮殿」の中に飾られています。
一般公開されていないため、実際の大きさや感動を体感できるのはこの大下図のみです。
制作のため、1年かけて全国の海辺をスケッチし、この絵のために専門のアトリエを建てるほど力を入れて描いたといいます。
壁画は6枚に分けて描かれていて、およそ2年の歳月をかけて傷んだ部分の修復が行われました。
松浦さん
「画家が奮闘しながらこういった大きな作品を手掛けたというところを味わっていただけるといいかなと思います。立ててみてこんなに大きかったんだというのがありましたので、普段の美術館と違った面白みがあるかなと思っています」
大下図が展示される企画展は来年の秋に、長野市の県立美術館で開かれる予定です。