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【特集】オフロードコース整備で震災被災地に活気を バーベキュースペースもオープンへ 岩手・大船渡

2024年3月14日 18:54
【特集】オフロードコース整備で震災被災地に活気を バーベキュースペースもオープンへ 岩手・大船渡

きょうの特集です。津波で大きな被害を受けた岩手県大船渡市三陸町の越喜来地区を観光面から活気づけようと、四輪車のオフロードコースを整備した男性がいます。男性の思いを取材しました。

大船渡市三陸町越喜来。ここ越喜来の観光の活性化を目指し、新たな挑戦を始めた男性がいます。中村晃也さん62歳。

中村さん
「ここは被災地で使われることがなかった土地を利用して、四輪駆動車に乗るコースを初心者向けに体験できる施設です。被災地だと初めてではないかと」

 中村さんが作り上げたのは、四輪車のオフロードコース。およそ50アールの敷地を整備し、去年12月に念願のオープン。そのコースも本格的です。

中村さん
「これはモーグルですね。スキーのモーグルみたいだから。こんな感じで右へ左へ切ってもらうと進みます。でここはV字の溝ですね。ここのお楽しみはこういう風に何度まで傾いて大丈夫か味わいながら行ってもらえれば。どうやったらお客さんに楽しんでもらえるのかなと思いまして。(越喜来の)現状で生かせるのはこれしかないと思いまして。やっぱりここの人間なんで安心感はありますし、できれば若い人が移住して来てくれたりしたらいいですけどね」
 
 中村さんはもともと大の車好き。高校を卒業後は関東に上京し、およそ40年間、運送業に携わってきました。そして2021年、Uターンで戻ってきた中村さんの前に広がっていたのは、地元の寂しい風景でした。

中村さん
「もうこの辺からほぼほぼず~っとはるか向こうまで、多分2万坪位あると思うんですけど、ほぼ12年間手付かずですね。やはり寂しいですもんね。かつてこの辺から向こうにかけてかなり住宅があったところなんです。それが何も無くなって、さらに地元の人たちの人口の減少に歯止めがかからない状態で。やはりこの土地から何か始めれば、たとえ小さいものでもいいから始めれば何か違うのかなって」

 越喜来の活性化を目指し、オープンを果たしたオフロードコース。この日、中村さんの知人が初めてコースに訪れました。体験しての感想は?

知人「いや~何かこれスポーツっていう感じですね。モータースポーツみたいですね。いや~楽しいですね」

Q 「実際どうでした?やってみて?」

知人「いや、怖いですね 。普段走ることのないような環境ですのですごく新鮮です」

中村さん
「始まったばかりなので今からなんですけど、少しずつお客さんが増えてくれればなと思います」

 オフロードのコースに加え、現在進めているのはバーベキュースペースの整備。来月上旬のオープンに向け、作業がはかどります。

中村さん
「オフロードだけだとお客さん呼べないですし、あとここは地元のカキとかホタテとかが結構おいしいんですよ。ですからそのものを提供して、できればその販路の拡大そういうもののPRに一役になればと思ってます」

 地域に活気を取り戻すため、中村さんが大切にしているのは集客。そのため、市の地域おこし協力隊の助けを借りて 施設の宣伝にも力を入れています。

Q「今はどういう打ち合わせをされてたんですか?」
中村さん
「やるからにはお客さんを呼ばなくちゃいけないんで、HPからインスタグラム、それからチラシ。そういうものをご相談させていただいています」

協力隊
「(越喜来で)体験をやりたいとか、お客さんを呼びたいっていう事業者さんが少ないというのもあって。最近、中村さんと出会って そういう思いのある方がいらっしゃったんで、僕も協力して色々とお手伝いできたらなと」

 魅力ある越喜来の自然を発信するため、様々なアクティビティをPRする中村さん。オフロードの他にも、広大な敷地を生かしたドローン体験なども盛り込み、より多くの人に来てもらうための工夫を仕掛けます。さらに中村さんが注目しているのは、敷地の前に広がる海。

中村さん
「左手にあるのは自分のところのコースでして、ご覧の通りやはりまだまだ使われてない土地が沢山あります。そして目の前が海なんですけど、丸っきり震災以降使われることがなくて、草ボーボーの状態なんですよね。ですから夏場に来るお客さんもいませんし、それにしてもやはり寂しいなという思いがあって。マリンレジャーをここで楽しんでもらおうかと思っています。この場所を震災以前とまではいかなくても、ある程度のレベルまで戻せればいいのかなと思います」

 すべては大好きな故郷のため…。素晴らしき越喜来を再生すべく、中村さんの挑戦は、この春、大きく動き始めます。

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