「台風5号」は12日、東北地方に上陸し、明け方から昼前にかけて岩手県に最も接近する見込みです。

　11日夜から12日の午前中にかけて線状降水帯が発生するおそれがあり、厳重な警戒が必要です。

　「台風5号」は勢力を維持したまま、日本の東をゆっくりと北北西に進んでいて、12日の明け方から昼前にかけて岩手県に最も接近する見込みです。

　県内は沿岸を中心に雨脚が徐々に強まっていて、午後5時までの24時間に降った雨の量は、久慈市下戸鎖で184.5ミリ、宮古で104ミリなどとなっています。

　気象庁は宮城県、岩手県、青森県で11日夜から12日の午前中にかけて、線状降水帯が発生して大雨による災害の危険度が急激に高まる可能性があると発表しました。

　12日の正午までに予想される24時間降水量は、いずれも多いところで内陸で250ミリ、沿岸で300ミリとなっています。

　岩手県は11日、「県風水害対策支援チーム」を招集し、各市町村長に対し早めに警戒体制を確立し、明るい時間帯に避難を完了するよう助言しました。

　午後5時現在、久慈市と岩泉町などに「避難指示」、陸前高田市と山田町、野田村、田野畑村などに「高齢者等避難」が出されています。

　三陸鉄道は11日午後から12日いっぱい、全線で運転を見合わせます。

　また、JRは大船渡線と釜石線が始発から運転を見合わせるほか、山田線と八戸線は一部の区間で始発から運休。

　東北本線は一部区間で午前10時ごろから午後4時ごろまで運転を見合わせます。

　花巻空港を発着する空の便は12日、札幌千歳線、大阪伊丹線、福岡線あわせて14便の欠航が決まっています。

　県内は総雨量が平年の8月1か月分の降水量を超えるおそれがあります。

　厳重な警戒が必要です。