【特集】岩手に移住し40年以上多彩な顔のドイツ人男性 岩手を愛し住み続ける理由
岩手に移住したドイツ出身の男性は、東アジアの政治や文化を研究しながら馬の世話を行っています。移住して40年以上。岩手を愛し、住み続ける理由とは?
雄大な自然に抱かれた雫石町の乗馬体験施設、「YU(ユー)-YU(ユー)ファーム」。馬の世話をしているのはドイツ出身のウヴェ・リヒタさん。
ドイツと北京の大学で学んだ後、ドイツ語の教師として来日しました。1982年に岩手医科大学へ赴任。1997年には岩手県立大学へ。現在は県立大学の名誉教授として東アジアの政治史や文化史の研究を行っています。そんなリヒタさんですが、なぜ、馬の世話をしているのでしょうか?
リヒタさん
「ドイツで大きな産業である馬と観光は岩手でもできるのではと思いそんな夢を実現したい」
馬事文化が根付く岩手の地で雫石の自然と馬で観光を盛り上げたい。8年前、乗馬をしていた柴田さんと出会い、一緒にYU-YUファームを立ち上げました。
柴田さん
「(馬で)トレッキングから帰ってきたら入口の所に外人さんがいるなという感じだった 会話をして色々な楽しい話を聞いた。誰でも来て簡単に(馬に)乗れるそんな施設にしたいとスタートした」
そうした想いが繋がったYU-YUファーム。現在、初心者でも気軽に乗馬が出来るスポットとして県の内外から多くの人が訪れています。この日も、乗馬体験のお客さんが
リヒタさん「今どこですか?」
お客さん「今は中央病院で」
リヒタさん「中央病院ですか?」
記者「リヒタさんこの方は?」
リヒタさん「県立大学でドイツ語を選んでいた。だから一緒に1年間ドイツ語を勉強した」
記者「どうですか?乗り心地は?」
お客さん「すごくいい乗り心地です」
リヒタさん「ねぇ 楽しいね」
教育者としての長き歩み、今に続くたくさんの出会いや繋がりがあるんだそうです。馬が大好きなリヒタさんの自宅は牧場のすぐそば。
記者「ここがご自宅ですか?」
リヒタさん「はい、変わった建物ですね」
自宅は築150年以上。元々盛岡市肴町にあったというこの建物は、リヒタさんのお気に入りです。取り壊されると聞いて、急いで買い取り、この場所に移築しました。
リヒタさん「小さくもないこの部屋冬の間いすに座ってあったかいストーブを目の前にして温かさが来る。外の雪景色を見るのは最高」
長年、中国や韓国、日本の歴史文化に触れてきたリヒタさんにとって、日本の家屋の造りや生活様式は魅力そのものだったようです。
リヒタさん
「日本の文化、こういう建物はある意味日本の建築スタイルの頂点だと思う」
日本、そして岩手を愛してやまないリヒタさん。その魅力とは。
リヒタさん
「東北の気候はだいたいドイツと同じ。ただ岩手はドイツと比べるとずっと南にある。だから日光が強い、だから今でも毎朝青空がきれいだと日差しが暖かいと感じる」
共通点が多い故郷ドイツと岩手。自然に囲まれた生活を送るリヒタさんにお気に入りの場所を案内してもらいました。
やってきたのは自宅からほど近い鶯宿温泉のホテル。100%天然温泉で日帰り入浴も楽しめます。リヒタさんが特に気に入っているのは、庭園露天風呂。
リヒタさん
「きょう最高。ちょうどいい国内外の友達いれば東京もいいけれどでも地方の温泉や山、食べ物を楽しめばそれは忘れられない経験になる。それは最高」
大学での教鞭、自宅では研究に執筆活動、牧場では馬の世話。多くをこなすリヒタさんの原動力とは?
リヒタさん
「僕は楽しいと思える事を仕事にした。ずっと岩手で暮らしたいです」
大好きな岩手、そして雫石の魅力をもっと世に広めたい、リヒタさんの活動と岩手ライフは続いていきます。