【特集】地域おこし協力隊 遠野を盛り上げ 岩手
地域おこし協力隊の特集です。遠野市の地域おこし協力隊として活動する27歳の女性です。イベントのプロデュースなどで積極的に街を盛り上げる姿を取材しました。
Q「どうですか?田仲さんの働きぶりは?」
♪女将「もうバッチリですよ!美季ちゃんがいるだけで、お客さんもニコ~ッとして!」
ある時は銭湯の番頭さん。そしてある時はニュースキャスター!多岐にわたり活動するのは、遠野市地域おこし協力隊の田仲美季さん27歳。
田仲さん
「遠野にはケーブルテレビの局があって、そこで週に1回金曜日のキャスターを務めさせてもらっていました。
千葉県出身の田仲さんは、2021年に遠野市へ移住。街を精力的に盛り上げ、キャスターの仕事も遠野テレビがオファーしました。
局員
「すごいパワーがある子だなと普段から思ってるので、自分のやってるイベントだったりだとか、目にすることがよくあるのでそういった部分では、我々が逆にパワーをもらいながら、いい刺激を受けているなと感じてます」
田仲さん
「私が遠野に来たいと思ったきっかけが、この会社なんですけど。遠野市は、協力隊の配属先が決まっていて『パートナー企業』だったり『パートナー団体』が決まるんですけど、この弊社は地域のプロデュースをする会社というイメージで。民間の企業に私は協力隊として入りながら、地域の方々と企業が一緒にという感じになります」
学生時代はバックパッカーで20か国の旅をしてきた田仲さん。卒業後は関東で一般企業に就職しましたが、「デザインの力で地域を活性化させたい」と、遠野市の地域おこし協力隊へ志願。現在は「地域文化ディレクター」として、地元企業のイベントプロデュースなどを手掛けています。
市担当者
「今まで遠野にありそうだったけど無かったみたいな。だけどあったら若い世代が喜ぶよねみたいなのをメチャクチャやってくれるんで、『地域文化ディレクター』という肩書はあるんですけど、そこにこうはめすぎないで、やりたいしやってほしいなと思ってますね」
遠野に住む同世代に喜んでもらおうと、自主的にイベントも企画。その会場に選んだのが、空き家です。
田仲さん
「もう前回のイベントの服を置きっぱなしだ…ここはもともと遠野の看板を作ってる工房だったんですね。そこが使われなくなっていて、空き部屋みたいになってたんですけど、せっかく何かチャレンジできる場所があるということであれば、私が一番最初のチャレンジとして借りるという形で。ここ見ていただいている通り、遠野は古着やお洋服を買う所が本当に少なくて。『何か遠野でこんな服選ぶの超久しぶり』とか、意外と同世代や上の方も来てくれることもあるんですけど」
これまで古着販売やアートギャラリーなど様々なイベントを企画してきた田仲さん。そんな田仲さんが先月、新たにプロデュースしたものがあります。それが、写真集の制作。
田仲さん
「これは写真集なんですけど、岩手県で同世代の6名を撮った記録した写真集になります。タイトルは『わたしたちへ』というタイトルなんですけど、私27歳で写真家の子も27歳なんですね。ちょうど結婚する子もいれば出産する子もいて、色んな選択肢があるから、自分はこれでいいのかな?という揺さぶられ方をすごくするんですよ。なのでこの『わたしたちへ』というのは、自分たちが10年後20年後見た時に、未来の自分たちが真っ直ぐさに押されるような作品になればいいなと思って、葛藤が残る感じを押さえておきたかったんです。だから買ってもらうというという行動は、共感したということとイコールになればいいなと思うので、どんどん売りたいとか商品というよりも、作品として大事に大事に一緒に共感してくれる人の手に渡るといいなと思います」
共に岩手で生きる、同世代のありのままの表情…1ページ目には、写真ではなくこの本の持つ意味を文章に託しました。『数年後、この本を開いたとき積み重ねた日々から勇気づけられるような岩手で生きる、わたしたちの記録』
田仲さんが活動する上で原動力となっているのが、同じ協力隊の仲間たち。田仲さんと同期の大地(おおち) 漠(ばく)さんはアーティストとしての顔を持ち、この日は煙のゆらぎを鑑賞するアートライブを開いていました。
大地さん
「目に見えないものにすごく興味があって。こういう風情ある形のないものを表現したかったんですけど、やっと夢が叶ってきて」♪田仲「本当にすごい…(写真集の)6人もそうでしたけど、ここからまさにずっとやってきて、お互い高め合いながら。尊敬と いいライバルとっていう感じになると。ねぇ~」「尊いですね 笑」
遠野に来て3年。「地域文化ディレクター」の田仲さんにとってかけがえのない時間が番頭のお手伝い。地元の人たちとの交流を大切にする田仲さんに、今後の夢を聞いてみると…
田仲さん
「街のお店の人になりたいんですよ。ずっと自分も自営業をしてみたいというのがあって、どこがいいかを探して巡り合ったのが遠野だったので。自分がやりたいことで恩返しをできるのが一番理想的だなと思うと、それが本当に恩を返せる作業か分からないですけど、そう思ってます。
自分らしく生きるため、遠野を選んだ田仲さん。若い世代が、地域の活力となっていることは間違いありません。