ノンフィクション作家の下山進氏がアルツハイマー治療の展望について講演「早期発見、早期治療が重要」
山形県勢懇話会の例会が15日、山形市で開かれ、ノンフィクション作家の下山進さんがアルツハイマー治療の展望について講演しました。
「アルツハイマー病新薬をどうむかえるか?」というテーマで講演した下山さんは、医療分野や科学など幅広い分野で取材を続けるノンフィクション作家です。
アルツハイマー病は、アミロイドβというタンパク質が神経細胞に作用することが発症の一因とされています。講演の中で下山さんは、このアミロイドβを取り除く新薬「レカネマブ」について、「完治する効果はなく、あくまで症状を遅らせる効果しかない」と説明しました。
その上で、「『レカネマブ』は神経細胞を失った患者に効果はなく、初期の患者にしか使えない」とし、「早めに症状に気づき、対処することが重要」と指摘しました。
ノンフィクション作家・下山進 氏「今地域の病院で見ている人たちは介護が必要で中等度以上になって初めてみんな来ている。そういう人たちには使えない。予防のためにどういう方法があるのか考えていくことが大事」
また、今後のアルツハイマー治療について、下山さんは、「アミロイドβのほかに病気に作用する別のタンパク質があるので、それを除去する薬と『レカネマブ』の併用が焦点となる」と述べました。