女性バスガイド死亡事故 安全にバスを誘導するために山形市のバス会社に聞く
17日に上山市で死亡事故を起こしたバスは、安全装置としてバスの後ろを確認するバックモニターや車外の音を拾う外部スピーカーが搭載されていました。運転手の目線では実際にどう見え、どう聞こえるのか。山形市のバス会社で取材しました。
山形市で大型観光バスを取り扱う「八千代交通」を訪ねました。こちらの大型バスにもバックモニターに加え、車外の音を拾う外部スピーカーが搭載されてます。
県バス協会によりますと、バックする際の誘導方法に規定はなく、会社によって違いがあるといいます。この会社では誘導する際、車体の真後ろに入らないよう呼びかけています。
八千代交通 亀谷明房乗務員「真後ろに入ると危険なので、後ろには入らず。車体左後方にマイクがあって、このマイクに声が入るので、バスガイドは車体の左側と後ろを担当する感じ」
では、バックをする際、どのよう確認するのか、実際に走行してもらいました。
山川麻衣子アナウンサー「ギアをバックに入れると、まずバックモニターがつきます。バスガイド役の人の姿も見えます。さらにスピーカーからは音が鮮明に聞こえます。さらに窓を開けたのは…」
乗務員「外の音が聞こえるように何かあった時に」
実際にバックすると…
山川アナ「オーライという声も十分聞こえますね。バックモニターとミラーを確認しながら下がっていきます」
バスガイドは従来、ホイッスルなど音の出るものを使用して危険を知らせていました。しかし、最近ではモニターに加え、スピーカーは音量を調節する機能を備えているため、大声を出さずとも運転手に伝わる設備が整っています。
ただ、亀谷さんの場合、危険を察知する際に最も頼りにするのは聞こえてくる声でも、モニターでもないといいます。
八千代交通 亀谷明房乗務員「危険な時には叩いてもらうのが一番いい。今回は気づけなかったみたいだが…。バックモニターやスピーカーよりも叩いてもらうのが自分としては一番いい。車体に響いて伝わってくるので」
八千代交通では年に数回、乗務員を対象に安全管理の研修会を実施するなど、長年、事故防止に取り組んでいます。
八千代交通 本田喜義常務取締役「どこのバス会社もお客様だけでなく、社員も大切な人材。バックするときのモニターや、声出しでお互い連携がとれるようになっているか点検しているが、機械なので運行中にトラブルで聞こえないことも起こりうる。同じような事故は防げるように今後も指導していきたい」
県バス協会ではサクランボ狩りシーズンが続くことから、バスの運転手に対して余裕をもった運転をするよう注意を呼びかけています。