山形県内の記録的大雨の発生から5ヶ月 被災者は多くの不安を抱えたまま年越しへ
7月の記録的大雨の発生から25日で5か月です。復旧はまだ半ば、被災者は生活再建へ多くの不安を抱えたまま新年を迎えようとしています。酒田市の被害地域を取材しました。
酒田市の竹田地区は7月の大雨で最上川が増水。地区を流れる2つの支流の水を排水機場のポンプで排水していましたが、想定を上回る水量を排水し切れず、内水氾濫が発生し大きな被害が出ました。国土交通省酒田河川国道事務所は24日、施設の水没で故障して使用できなくなっていた竹田排水機場の応急復旧工事が終了したと発表しました。26日からは従来の排水ポンプに加えて新たに仮設で設置したポンプが稼働可能になり、あわせて1秒間に6.1トンの排水ができるようになるということです。
しかし、7月の大雨の後、9月に竹田地区を襲った大雨の際は排水ポンプ車が出動し1秒間に6トンの排水が行われましたが、低地の田畑が水没するなどしました。
そのため、住民からは「現在の竹田排水機場の排水能力では同じような大雨には対応できない」との声も上がっています。
住民「国交省が入れ替える気はありません。ポンプを今後も使いますとやっている以上は、毎年でも竹田は冠水する。ポンプの能力を上げて大きいのを入れて最低限出来るのはそれですよ」
12月22日に開かれた復旧に関する酒田市の説明会では、排水機場のさらなる機能強化を国に強く要望するよう求める声が出されています。
大沢コミュニティ振興会後藤正一会長「7月25日に激甚災害が発生しました。あのショックから抜けきれないような状況で皆さんにあいさつするのは大変心苦しいですが、支援してくれた方たちに感謝を申し上げるのは、やっぱり私たちが復興に突き進むしかないと思います」
一方、12月8日、甚大な被害が発生した酒田市の大沢地区で住民たちの交流会が開かれました。会には地区外の公営住宅などでの生活を余儀なくされえている人たちも参加。久しぶりに会った住民たちを見つけては手を取り合う姿が見られました。
遠田恵美子さん「こういう機会でないとちょっと会えないので本当につながりって大事だと思います」
白崎映美さん歌「いつでも誰かががきっとそばにいる思い出しておくれ素敵なその名を・・・」
酒田市出身の歌手・白崎映美さんの温かな歌声に、被災した人たちの張りつめていた心もやわらいだひとときとなりました。
被災地に訪れた冬。多くの被災者は生活の再建など難問を抱えたまま新しい年を迎えようとしています。