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尾花沢市のタクシー会社 配車アプリを導入 オーバーツーリズム(観光公害)対策にも

2024年12月13日 18:26
尾花沢市のタクシー会社 配車アプリを導入 オーバーツーリズム(観光公害)対策にも

尾花沢市のタクシー会社が12月、山形県内で初めて、スマホアプリでタクシーを呼ぶことができるサービスを導入しました。背景にあるのは増加する外国人観光客とオーバーツーリズムへの対応です。

13日午前、尾花沢市の銀山温泉です。台湾やオーストラリアなど外国人観光客が目立ちます。

オーストラリアから「YouTubeで見て来た。(気に入った所は?)美しい建築物。それに雪!」

観光需要が回復する一方、銀山温泉でいま、直面しているのが、観光公害とも呼ばれる「オーバーツーリズム」の問題です。

銀山温泉組合 脇本英治組合長「利用客のタクシーを呼ぶ時にタクシー会社に連絡して来てもらう間に客がいなくなってタクシーのキャンセル料は旅館が払うということがあった」

外国人客と温泉関係者との間に言語の壁があり、意思疎通がうまくいかないケースもあるといいます。そこで、市内のタクシー会社、「尾花沢タクシー」はアプリでタクシーが呼べるサービスの導入を12月から始めました。アプリは世界50言語に対応。利用客が現在地と目的地を入力すると所要時間や料金が分かります。また、ドライバーも乗客の現在地を地図上で確認できるためスムーズな配車が可能になります。
このアプリの出発式が温泉街で開かれました。アプリの導入は県内では初めてだということです。

尾花沢タクシー渡会友補社長「徐々に今回の導入をきっかけにアプリでタクシーを呼べるようになる。県内のいろいろな業者にアプリの良さを伝えて、山形に観光に来るインバウンドの方も地元の方も幅広く使ってもらえるようになれば」

観光需要が増える一方で深刻化しているのがタクシー不足です。尾花沢タクシーはこの状況に対応するため一般のドライバーが自家用車で客を有償で運ぶ「日本版ライドシェア」を12月から実施します。今後、温泉旅館のスタッフや市内の農家などが一般ドライバーとして運転にあたります。利用料金はタクシー利用と比べて1割ほど高くなるということです。
さらに、オーバーツーリズムで課題となっていた、交通渋滞への対応も打ち出しています。

銀山温泉組合 脇本英治組合長「救急車などの緊急車両が温泉街に入れない状況が生まれてしまう。それを解消するために温泉街から1キロほど先で止まってもらう”パークアンドライド”を実施する」

「パークアンドライド」は温泉街からおよそ1キロ離れた観光施設からシャトルバスで温泉街まで移動するもので、日帰り客を対象に温泉街にマイカーで乗り入れることを規制します。尾花沢市は実証実験として12月23日から1月6日まで実施する予定です。
県内有数の観光地、銀山温泉。観光と住民の生活がそれぞれ両立できるよう、地域一体の取り組みが始まっています。

最終更新日:2024年12月13日 20:48
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