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豪雨で浸水被害を受けた大江町百目木地区 文化的景観に配慮した堤防案 国交省が示す

2023年10月31日 12:43
豪雨で浸水被害を受けた大江町百目木地区 文化的景観に配慮した堤防案 国交省が示す

2020年の豪雨で最上川が氾濫したことを受け、国が事業を進めている山形県大江町左沢の百目木地区の堤防整備計画について、住民説明会が30日開かれ、堤防の基本案が新たに示されました。

2020年7月に発生した豪雨では最上川が氾濫し、堤防が整備されていない大江町左沢の百目木地区で住宅や建物への浸水被害が発生しました。地区では去年8月の豪雨でも同様の被害がありました。相次ぐ被害の発生を受け、国は去年、百目木地区に新たな堤防を整備する計画案を示し、住民と合意していました。
こうした中、30日の夜は地区の住民らを対象にした国土交通省山形河川国道事務所と大江町による説明会が開かれ、 およそ50人が出席しました。

説明会では国側がこれまでの計画案を修正した新たな堤防の設置案を示しました。それによりますと、堤防は当初案よりも最上川の下流側におよそ170メートル延長し、全長およそ510メートル、高さ4メートルほどとする計画です。また、地区の文化的景観に配慮し、一部の箇所については当初の計画を見直して堤防を設置しないこととしました。一方、今回の堤防整備をめぐっては設置予定場所周辺のおよそ20棟が移転の対象になっています。
説明会では、住民から移転に関する質問が出されました。

住民「住宅を建てる場合の物価高騰や資材高騰などが、今回の移転対象者の査定の中で加味されると聞いたが…」
山形河川国道事務所担当者「補償の考え方は地権者の方々に丁寧な対応をしたいと思う。引き続き、地権者の方々と協議させていただきたい」

説明会では新たな堤防整備計画に対する反対意見は出されませんでした。国側と町ではおおむね理解を得られたとして、整備計画を進めていく考えです。

山形河川国道事務所・山影修司副所長「整備する用地にかかる人には丁寧に説明して、町と連携して進めていきたい」
大江町松田清隆町長「これまで課題だった文化的景観との調整、地元の方の理解ということでは1歩も2歩も前に進んだ」

説明会に出席した地区の住民はー。

住民「うまい方向にまとまろうとしていたので、安心した」

一方、こちらの女性は、移転の対象となる場所で旅館を営んでいます。

あてらざわ温泉湯元旅館・柏倉京子女将「今度は雨が降っても安心して暮らせるんだなって感じたが、それと同時にやっぱりこの景色はもうなくなるんだなっていうのがすごくむなしい。 半世紀近くこの景色と共に商売してきたから。でもここまできたら、1日でも早く完成してほしいのが実感です」

国は移転の用地交渉を来年度から開始し、2026年度の着工、2027年度の完成を目指しています。

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