「優しい口調で…」徘徊高齢者の保護へ初の声掛け訓練 一般市民も参加 山梨
21日の世界アルツハイマーデーを前に甲州市が初めての試みです。市内を徘徊する認知症の高齢者を適切に保護できるように19日、市民参加型の声かけ訓練を行いました。
一般市民
「こんにちは。今日はおひとりで買い物?」
訓練は認知症の高齢者役の職員が実際に市内を歩き回り、市民らがどのように声を掛けるかや関係機関への連絡体制を確認するものです。甲州市では徘徊の恐れがある高齢者を事前に登録し、市内の事業者らが連携して見守るネットワークを構築しています。
一般市民
「おうちの人は?家族はいる?」
徘徊高齢者役の職員
「いる。奥さんがいる」
一般市民
「連絡先は分かる?」
徘徊高齢者役の職員
「分からない」
一般市民
「ちょっと涼しいところで休んでて」
訓練ではネットワークの登録事業者や偶然居合わせた市民らが優しく声を掛けたり警察や市に通報する手順を確認したりしていました。
甲州市介護支援課 矢崎甲斐 副主査
「認知症はこれから増えていくのが分かっている。そういった方々が安心して暮らせる地域づくりを目指していきたい。優しい声掛けを重視しながら(地域で)見守ってもらいたい」
19日はこのほか、高齢者役の職員にGPSを持たせ、ケアマネジャーが居場所を捜す訓練も行われました。
県によりますと、県内の認知症患者は約2万8400人で、今後さらに増加することが見込まれています。甲州市では、「道に迷った様子の高齢者を見掛けたら優しい口調で声をかけ安全な場所に誘導し、家族や警察に連絡してほしい」としています。