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リニア残土の不適切管理「保全措置」施工計画書に記載されず JR東海も気付かず 山梨

2025年3月10日 14:08
リニア残土の不適切管理「保全措置」施工計画書に記載されず JR東海も気付かず 山梨

 山梨県笛吹市のリニア中央新幹線の工事現場で基準を超える鉛を含む残土が不適切に管理されていた問題で、JR東海が環境影響評価で定めた保全措置が施工計画書に記載されていなかったことが10日、分かりました。

 この問題は笛吹市境川町藤垈のリニア中央新幹線の架道橋工事現場で、工事を担当するJVが約200立方メートルの残土を地面に直接、仮置きしていたものです。この残土からは国の基準を超える鉛が検出されました。

 JR東海は環境影響評価に基づく環境保全措置の中で、「工事で発生した残土は『浸透防止シート』か『鋼板』を敷設した上で保管する」と定めています。しかし、今回の問題ではこの措置が守られていませんでした。

 JR東海による県への報告によりますと、工事を受注したJVは施工前に作成した施工計画書に、環境影響評価で定めた「残土から地面への浸透を防止する措置」について記載するのを怠っていました。また、JR東海も記載漏れに気付かなかったということです。

 JR東海は再発防止策として、工事の受注業者がチェックリストなどを活用して環境保全措置をもれなく施工計画書に反映させるとともに、JR東海と受注業者で相互に確認を行うとしています。

 JR東海によりますと、問題の残土についてはすでに不適切な管理を是正していて、3月上旬にも処理施設へ運び処分します。また、県は問題があった仮置き場の土壌を2地点で採取して鉛を分析した結果、いずれも国の基準を下回ったと発表しました。

最終更新日:2025年3月10日 14:09
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