道路陥没は下水道管内の捜索へ 大阪市でも陥没発見、水道管老朽化は50%超 道路の異常見つけたら…
陥没事故について、転落した男性を救出するため、現場では小型カメラを下水道管に入れた調査が始まりました。(取材・報告=尾坂健太郎 記者)
(尾坂記者)
私のいる場所から約150メートル先に見えるのが陥没現場です。
転落した男性の安否は2週間たった今も分かっていませんが、消防は、下水とみられる水があふれ出している陥没現場での捜索活動を断念しています。
私は下水管の下流側にいますが、これまでの調査で、運転席とみられる物が、穴から100メートルから200メートルの間で、見つかっています。
穴から100メートルは、あちらの青い看板の辺り、そして、私がいるのが穴から150メートルあたりで、さらに進みまして、あちらの白い建物あたりが穴から200メートルの付近です。この100メートルから200メートルの間の地下で運転席とみられるものが見つかったということなんです。
それが分かった経緯ですが、下水道管は、こちらから下流に向かってさらに奥へと続いています。
そして、穴から600メートルの場所にあるマンホールからドローンを投入して、そのドローンが下水道管の中をずっと遡ってきて、このあたりで運転席とみられるものが見つかったということなんです。
今後の捜索に向けては、内部で充満する流化水素や、安定しない水位や水流、堆積物の障害などで今後の状況は見通しが立たない状況となっています。
埼玉県は運転席とみられる物が見つかった付近の地上から下水道管に通じる穴を開け、小型カメラを入れて調査を行い、下水道管の状況の把握を続けています。
今後、下水道管の中の捜索に移行する予定で、真上の指標から下水道管に向けて穴を掘る手段を含め対応を検討しています。
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(中谷しのぶ キャスター)
大阪府でも、水道管の老朽化率というのが、このように広い範囲で40年以上前の水道管の割合が広がっています。濃い赤、大阪市や門真市などでは50%以上が老朽化しているということで、深刻なんです。
去年7月には大阪市淀川区で、このように水道管が破裂したことで、地表に水柱が高さおよそ10メートルほど上がって、交通規制が敷かれたり一時断水する被害もありました。
昨日も大阪市北区でこのような道路の陥没が見つかりまして、マンホールのすぐ近く、こういった穴が開いていて、原因は今も調査中ということなんですが、昨日発見されて今日もこう見ますと修復されて、今もパトロールが6回行われて、目視で確認を続けているということです。
この穴を発見された方にお話を伺いますと『穴を発見した時のこの連絡先というのを周知してほしい』と話されていたんですね。
その道路緊急ダイヤルというのが全国共通でありまして『♯9910』24時間受け付けていて無料だということです。
他にも自治体によっては、例えば、大阪市では公式のLINEアカウントに、このような不具合箇所送信フォーム『おしえ太郎』というのがありまして、道路陥没してるなと発見した場合に、ここに送信を写真を添えてすると、市が対応してくれる仕組みもあります。
神戸市や京都市など他の自治体でも、このような仕組みがあるということで、ぜひ調べていただきたいなと思うんですが、一方で対策も、未然に防がないといけませんので、進められています。
例えば、人工衛星を活用してAIで解析し、漏水リスクのエリアを検知するといった対策も進められています。
実際に昨日10日、宮城、福島の市町村など10の団体が共同で発注するという締結を結びまして、人工衛星を活用した漏水調査を行うと。来年度中に実施予定ということなんですが、こうすることによって単独の調査よりも、時間・コストを大幅に削減することができると。
高岡さん、こういう対策が求められますね。
(高岡達之 特別解説委員)
これ地図を改定するときにもやるんですね。みなさん、あまり意識されていないと思いますが、日本列島って毎年大きさが変わっているとかね、あるいは高低差ができているということがあるんです。センチ単位です。そういうことはこういう技術を使って分かるので、道路がそれだけの反応を示してくれるかどうか分かりませんけれども、これが一つ。
それから、大阪府市は老朽化率高いとよく言われます。言い換えれば、水道の先進エリアだったわけですね。
ですから早い時期に埋めてあるから、こういうことになるわけですが、さらに前向きに考えれば、修復をする技術というのも先進地域だということになります。
何年か前になりますけど、ベトナムの水道の改良に大阪市水道局が手を貸したということもあります。ですから、そういった技術協力を大変申し訳ないけれども相手の国から報酬をいただいて、こういった国内の修理に回すといった知恵もいるのではないかと思います。
(中谷キャスター)
同時に利用する私たちも、こういった維持管理には予算が必要という理解も必要かもしれません。