【速報】「なめるんじゃねえよ」検察の取り調べ映像が新たに公開 違法捜査を訴えた元社長の裁判が結審「今のがウソじゃなかったら何がウソなんですか。ふざけんなよ。何開き直ってんだよ」検事が机を叩き怒鳴る
巨額の横領事件で大阪地検特捜部に逮捕・起訴された後、刑事裁判で無罪となった不動産会社元社長が、検察の違法捜査を訴えている民事裁判の弁論が20日に開かれ、最高裁が開示を命じた約18時間分の取り調べ映像の一部が法廷で再生されました。
映像には、検事が元社長の当時の部下の取り調べで机を叩いて大きな音を立てた上、怒鳴りながら「検察なめんなよ」などと供述を迫る様子が記録されていました。
裁判は20日に結審し、判決は来年3月21日に言い渡されます。
■「あなたは大罪人」強引な取り調べが明らかになり無罪に…最高裁が18時間の取り調べ映像開示命じる
プレサンスコーポレーションの元社長、山岸忍さん(61)は、21億円の横領事件で大阪地検特捜部に逮捕・起訴された後、山岸さんの元部下が田渕大輔検事(52)に「あなたは大罪人だ」などと迫られて供述が取られていたことが分かり、証言の信用性が否定され、刑事裁判で山岸さんの無罪が確定しました。
山岸さん側は「検察の違法な捜査が冤罪を生んだ」などと訴え、民事裁判で国に賠償を求めています。
また裁判の中で、山岸さん側は田渕検事による取り調べの映像データを開示するよう申し立て、大阪地裁は去年9月、約18時間分のデータの開示を国側に命じる決定を出しました。
しかし、国側が即時抗告をした結果、大阪高裁は「元部下の名誉やプライバシーを侵害する恐れがある」などとして、提出を命じるデータの対象をおよそ50分間に短縮することを決定。対象は刑事裁判で提出された部分に限られ、前後で検事が机を叩いたり恫喝したりした部分などについては取り除かれました。
これに対し、山岸さんが不服を申し立てていたところ、最高裁は2024年10月、「言動が正確に記録された開示されていない映像部分も必要性の程度は高い」として高裁の決定を取り消し、地裁が命じた約18時間分のデータの開示決定を認めていました。
これまでの裁判では、すでに開示が認められていた約50分間の映像の一部が法廷で再生されていて、田渕検事が山岸さんの元部下に対し「あなたはプレサンスの評判を貶めた世間の評判を貶めた大罪人ですよ。あなたはその損害を賠償できます?10億20億じゃ、すまないですよね。それを背負う覚悟で今話していますか」などと迫る様子が明らかになっていました。
■法廷で新たな取り調べ映像 検事が怒鳴り「命かけてるんだよ」
20日の弁論では、これまで公開されていた映像に加え、田渕検事が別の日の取り調べで「ウソだろ。今のがウソじゃなかったら何がウソなんですか。ふざけんなよ。何開き直ってんだよ。何開き直ってんだ。開き直ってんじゃないよ。何こんな見え透いた嘘ついて、なおまだ弁解するか。なんだその悪びれもしない顔は。悪いと思っているのか」と怒鳴る様子を記録した映像が再生されました。
さらに続けて、田渕検事は「検察なめんなよ。命かけてるんだよ、俺たちは。あなたたちみたいに金をかけてるんじゃねえんだ。かけてる天秤の重さが違うんだ、こっちは。金なんかよりも大事な命と人の人生をこっちは天秤にかけて仕事してるんだよ。なめるんじゃねえよ。必死なんだよ、こっちは。私はあなたの人生を預かる人間としてここに来ているんだ。そのあなたに嘘をつき続けさせることにはいかないんだ。あなたの人生を預かっているのは私なんだ、今。これ以上あなたを痛めつけさせないでください」と大声を上げていました。
元社長側は「極めて姑息で不当な取り調べというほかないが、供述が歪められていく過程は、録音録画媒体から明らかとなる検事の不機嫌で苛ついた態度とともに評価されなければならない」と主張しています。
特捜部の取り調べをめぐっては、大阪高裁は田渕検事について特別公務員暴行陵虐の罪で刑事裁判を行う決定を出しています。
さらに、山岸さん側は当時捜査を指揮していた主任検事についても、部下の田渕検事に強引な取り調べを指示したり、別の部下が逮捕を待つよう進言したのを無視し職権を乱用して起訴したりした特別公務員暴行陵虐、特別公務員職権乱用、偽証の疑いがあるとして大阪高検に刑事告発しています。