新型コロナウイルスの持続化給付金をだまし取ったとして、36歳の男がタイから強制送還され逮捕されました。男はタイで護送車を奪うなどして逃走劇を繰り広げていました。

　記者
「八木容疑者がマスクをして警察車両から出てきました。 日本での詐欺容疑、認めますか？」
　
　八木容疑者
「くそくらえ」

　報道陣に対し、暴言を吐く男。さらには、頭突きまで…。

　10日朝、タイから強制送還され、詐欺の疑いで逮捕された住居不定・無職の八木佑樹容疑者（36）です。

　木村智子記者
「午前8時18分です。大阪府警の捜査員に囲まれて八木佑樹容疑者が姿を現しました」

　警察によりますと、八木容疑者は4年前、虚偽の申請をして、新型コロナの持続化給付金100万円をだまし取った疑いがもたれています。

　事件後にタイに逃げていた八木容疑者は、不法滞在の疑いで一度身柄を拘束されますが、その後、タイ国内でも驚きの逃走劇を繰り広げます。

　八木容疑者（吹き替え）
「足が痛い」

　八木容疑者は2023年9月、入管施設で「足を痛めた」と訴え、職員が車イスを運んでくる隙に護送車を奪って逃げたのです。

　八木容疑者は、三輪タクシー「トゥクトゥク」やタクシーを乗り継ぎ、約140キロ離れたリゾート地・パタヤに移動。

　数日後、ホテルに滞在していたところを捜査員に確保されました。その際も、八木容疑者は5階の部屋にも関わらず、ハンマーで窓ガラスを割り、逃走を試みたということです。

　逃走劇の末、10日、日本に強制送還され逮捕された八木容疑者。警察の調べに対しては「持続化給付金をだまし取った記憶はある」と、容疑を認めているということです。

　八木容疑者が管理していたとみられる複数の口座には、総額千数百万円の持続化給付金が振り込まれていて、警察は不正受給を繰り返していたとみて調べを進めています。