【特集】築98年の古民家カフェ 思い出の味と建物残したい
十和田市にある古民家を利用したカフェです。築98年の建物の中で振る舞う料理には、店主の思い出が詰まっていました。
★青森放送 小山内碧
「大きな屋根の建物 こちら古民家を改修したカフェということです入ってみましょう」
十和田市法量にある「大正昭和ロマン喫茶段ノDe」です。中に入ると…
★小山内碧
「入った瞬間から木の落ち着く香りがしてレトロな雰囲気があります 壁なども味があって当時の古民家がそのまんま残ってるんですね」
もともと店主の椿千鶴さんの曽祖父が1927年に建てた家で築98年。店名の「段ノDe」はこの場所の地名「段ノ台」が由来です。椿さんも15歳まで住んでいました。
★大正昭和ロマン喫茶 段椿千鶴さん
「このとおりの梁でここにロープをかけてブランコをした思い出とか、この廊下をよくおばあちゃんにロウで磨かされたという思い出ですね」
住んでいた両親が施設に入ったため、椿さんは思い出が詰まった建物をどうにか残そうと去年カフェとしてオープン。部屋はもちろん黒くなった柱や高い天井なども当時のまま残しました。
★椿千鶴さん
「ある物を生かして同年代の方々に懐かしいなとか思ってもらいたい 特にコロナ禍でしたから癒やしじゃないですけどそういう場にできたらなと思ってました」
店内の装飾にもこだわりました。コンセプトは大正・昭和。家にあった古い家具を置き、壁には当時のポスターや懐かしい雑誌なども。
★訪れた人
「SNSで検索して見つけて 最高ですよね 心安らぐというか日本人でよかったなって古き良き時代の雰囲気を感じられるので」
ナポリタンや牛すじカレーなどさまざまなメニューがある中人気なのが…
五目おこわ御膳には地元の野菜をメインに10種類ほどのおかずが入っています。
★小山内碧
「それではおこわからいただきます お米がもっちもちで具材がたくさん入っていますおばあちゃんが作ってくれるようなほっとする味でとってもおいしいです」
実はこの五目おこわ、椿さんの母親が作ってくれた思いでの味を再現したものなんです。
★椿千鶴さん
「母の味が子どものころ大好きで食べたいなと思って母も施設にいますしそれを提供できたらなと思いまして 地元のもち米100%で二度蒸しにこだわっています 昔ながらの蒸し方なんですけどその方がベタベタしないで」
こだわりの手作りスイーツも人気です。
こちらは砂糖を使わない「発酵あんこのトースト」煮た小豆にこうじを混ぜて発酵させ甘酒でほどよい甘さに仕上げたあんこがバターと一緒に手作りトーストにたっぷり塗られています。
★小山内碧
「あんこが甘さ控えめで溶けたバターもトーストまでしっかりとしみこんでいてとってもよくあいます 本当においしいです」
サイフォンで入れる本格的なコーヒーもありこの雰囲気をゆっくり楽しむことができます。
★訪れた人
「こちらがきょう誕生日なのでランチしようって 1回来たときにすごくよかったなと思って思い出になってまた行こうと」
「今まで食べた中で最高かな おいしかった また来たいと思いますよ こういうところを見ると心が落ち着くというか」
思い出を詰め込んだ古民家カフェは、まもなくオープンから1年半を迎えます。椿さんがこれからめざすものは…
★椿千鶴さん
「もともとこれだけ広い家なので人の出入りがすごくあって昔からにぎわっていた家だと思うのでそれは逆に家も喜んでいるんじゃないかなと思っています 『あそこに行こう』みたいな思いになってもらえればうれしいです」
みなさんも現代から大正・昭和にタイムトリップした気分の味わえるこのカフェでゆっくり過ごしてみてはいかがですか。