×

【決着】大阪「カジノ」含むIR工事 万博開催中も「建設継続」へ 工事休止日増やし騒音ピークずらす 事業者「解除権」放棄も

2024年9月11日 7:00
【決着】大阪「カジノ」含むIR工事 万博開催中も「建設継続」へ 工事休止日増やし騒音ピークずらす 事業者「解除権」放棄も
大阪府の吉村洋文知事(10日)

 来年、大阪・関西万博が開催される大阪の夢洲で、2030年秋の開業を目指して整備が進められているカジノを含む統合型リゾート(IR)について、万博開催中も建設工事が継続される見通しとなりました。

 工事による騒音や景観の悪化などにより、万博に悪影響を及ぼす可能性があるとして、日本国際博覧会協会などが、「万博期間中はIRの工事を中断するよう」要請していましたが、万博の繁忙期に工事の休止日を増やすほか、騒音のピークを閉幕後にずらすなどの対策を施すことで、理解が得られたということです。

■吉村知事「簡単ではなかった」

 大阪府の吉村洋文知事や大阪市の横山英幸市長は、10日、首相官邸を訪れ、2025年大阪・関西万博の会合に出席しました。

 万博会場のすぐ北側では、「IR」の整備が進められていますが、ことし6月に博覧会国際事務局(BIE)のケルケンツェス事務局長が、IRの建設工事による騒音や景観の悪化が万博に悪影響を及ぼす懸念があると指摘。BIEや日本国際博覧会協会が大阪府・市に対して、万博期間中の工事を中断するよう求めていました。

 10日の会合で、大阪府の吉村知事らは対応策として、多くの万博来場者が見込まれる開幕時やGW、お盆などで工事を休む日を増やすほか、騒音対策として、杭打ち工事を後ろ倒しし、騒音のピークを万博の閉幕後にずらすなどの案を示し、すでに、ケルケンツェス事務局長らの理解も得られたことを報告しました。

 会合後、大阪府の吉村知事は「簡単ではなかったが、皆が合意できるところまでたどり着けたことは良かった」と話しました。

■事業者が違約金なし「解除権」放棄

 IRをめぐっては、これまで、大阪府と運営事業者の間で、土地の整備などの条件が整わない場合に、事業者が違約金なしで撤退できる「解除権」が盛り込まれていましたが、万博期間中も工事ができる見通しとなったことから、事業者が「解除権」が放棄したことも明らかになりました。

 これにより、今後、大阪のIRは2030年秋の開業を目指して、事業者に土地の引き渡しが行われ、正式に工事が進むことになります。

読売テレビのニュース
24時間ライブ配信中
日テレNEWS24 24時間ライブ配信中
logo

24時間ライブ配信中