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【速報】小林製薬が “紅麹”健康被害の補償内容発表 8月19日より受付「後遺症による逸失利益」も 小林前社長「創業家出身の私が最後までやりきる」

2024年8月8日 15:30
【速報】小林製薬が “紅麹”健康被害の補償内容発表 8月19日より受付「後遺症による逸失利益」も 小林前社長「創業家出身の私が最後までやりきる」
小林製薬の会見(8日 大阪市内)

 小林製薬の「紅麹」をめぐる健康被害の問題で、小林製薬は問題を公表した3月以来となる記者会見を、8日午後3時半から大阪市内で開きました。8日付けで就任した山根聡新社長が公の場に出るのは初めてで、紅麹事業からの撤退を表明したほか、第2四半期の決算について純利益が前の年と比べて、8割以上減少したことも明らかにしていて、このあと詳細な説明が行われます。

■キャッチコピー持ち出し 再び「あったらいいなをカタチに」めざすと明言

 山根新社長は会見の冒頭で、被害者や遺族にお詫びをしたうえで、「あってはならない事態を起こしてしまった。痛恨の極み。他者をおもんぱかる想像力に欠けていた。創業以来最大の難局だ」と述べました。

 今後に関しては「小さな信頼をーつーつ重ねていきたい、その先頭に自分が立つ。ガバナンス強化・経営体制の抜本的改革をはかり、再び『あったらいいなをカタチに』したい」とCMのキャッチコピーを持ち出しました。

 小林前社長は補償本部の取締役になると発表し「創業家の出身であり、当時の社長であった私が最後までやりきることが使命」と述べました。

 補償内容として「医療費・交通費・慰謝料・休業補償・後遺障害による逸失利益」を上げ、8月19日から「お客様センター」にて受け付けることを新たに発表しました。

■「原因分からず、広く可能性調べた」報告が2か月遅れ

 紅麹の健康被害をめぐっては、これまでに判明していた5件の死亡事例の他にも、死亡に関する相談が334件あり、このうち104件が調査対象になっています。(6日時点)

 小林製薬は最初の健康被害の報告を1月15日に受けていたにもかかわらず、公表したのは3月22日。発表までに実に2か月以上が経過していたことに、対応の遅れが指摘されていました。

 3月の会見で小林製薬は、「本来はもっと早く報告すべきだったが、何が原因か分からず、できるだけ広く可能性を調べた」と釈明しましたが、その後の株主総会では、株主が経営陣の引責辞任を求めるなど、厳しい意見が相次ぎました。

 こうした指摘を受け、小林製薬は4月末、小林一雅会長や小林章浩社長ら3人の社内取締役を除く、4人の社外取締役のみで検証・調査を進めることを決定。また、独立性・客観性をもった3人の弁護士からなる「事実検証委員会」を設置し、法規制の遵守や公表の時期、当時の経営陣の意思決定に問題はなかったか、検証を進めてきました。

■青カビ付着も放置か…報告書「健康被害の拡大防止の意識欠如」

 7月23日に公表された「事実検証委員会」の報告書には、「小林製薬が販売する健康食品について、医師から、重大な健康被害に関する具体的な症例の連絡を受けたことはなく、健康被害の拡大防止などの意識が欠けており、健康食品を摂取する消費者の安全を最優先に考えることができていなかった」と問題点を指摘。行政機関への報告についても、「『因果関係が明確な場合に限る』という解釈をとった上、本件症例の科学的な原因究明に注力し、行政への報告を速やかに行わなかった」と記載されました。

 また、委員会の聞き取りに対し、大阪工場の従業員が「原料ロットが乾燥されないまま放置されていたり、培養タンクの内側に青カビが付着したりしたことがある」と答えたということです。報告書では、「製造現場での人員不足が常態化し、現場任せの品質管理体制になっていた」と記載されていて、社外の取締役や監査役にも「報告が適時かつ十分に行われなかった」と指摘しています。

 その上で、委員会は「遅くとも2月上旬以降、全社を挙げて早急に対処すべき緊急事態だった。小林製薬及びその役職員が問題と向き合い、真の再発防止策の履践を全うすることを強く期待する」と結論付けました。

■会長・社長が引責辞任 小林製薬「企業風土の見直し行う」とするが… 月200万円の報酬も

 「事実検証委員会」の報告書を受け、小林製薬は、小林章浩社長(当時)について「リーダーシップを発揮することができず、行政報告や公表の遅れを招いたことへの経営責任は重大」で、一雅会長(当時)についても「直接的に関与していたわけではないが、代表取締役会長としての職責は重い」として、一連の対応について経営責任を取る形で小林章浩社長と一雅会長(ともに当時)が辞任。後任の社長には8月8日付で専務だった山根聡氏(63)が就く人事を発表しました。

 一方で、一雅元会長は辞任後、7月23日付で特別顧問に就任していますが、社内規定で定められた通常の顧問の4倍にあたる月額200万円を報酬として受け取るということです。

 小林製薬は、信頼回復と経営再建のため、コーポレートガバナンスの抜本的改革や企業理念・企業風土の見直しを行うとしていて、今後の対応が注目されています。

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