先週、神戸市にある商業ビルのエレベーターで男性が倒れているのが見つかり、その後死亡したことを受け、国土交通省の事故調査部会が3日午後、現地調査を行っています。

　2月27日午前3時ごろ、JR三ノ宮駅近くのカラオケ店などが入るビルで、4階のエレベーターの扉が、利用者が乗る「かご」が来ていない状態で開いているのをビルの従業員が発見。業者に連絡して内部を確認したところ、エレベーターの最下部の「ピット」部分で、男性が倒れているのが見つかり、男性は搬送先の病院で死亡が確認されました。

　死亡したのは、医師の田中翔さん（31）で、死因は背中を強く打ったことによる血気胸だということです。捜査関係者によりますと、田中さんは知人らとカラオケ店を訪れ、4階の部屋を利用し、その後、行方が分からなくなっていて、警察は、田中さんが4階から誤って転落した可能性があるとみて、業務上過失致死の疑いも視野に捜査を進めています。

　商業ビルは地上8階建て、地下1階の構造で、エレベーターは2～8階に入るカラオケ店の専用のものとして使われ、エレベーターを管理する会社によりますと、エレベーターは1977年に設置され、去年12月に点検が行われましたが、その際に異常なかったということです。

　これを受け、3日午後、国土交通省の昇降機等事故調査部会の委員が現地調査を行い、エレベーターに不具合があったかどうかを調べ、必要に応じて報告書をまとるということです。