【五輪閉幕】取材班はスリに遭遇も…パリに学ぶ大阪・関西万博の盛り上げ方 カギは「市民参加型」
世界中が熱狂したパリオリンピックが閉幕しました。日本が獲得したメダルは…金メダル20個、銀メダル12個、銅メダル13個合わせて45個と、海外で開かれたオリンピックとしては過去最多のメダル数を更新しました。
オリンピック開幕から閉幕まで現地で取材してきた佐藤記者が、パリから中継でお伝えします。
(取材報告:佐藤 翔平記者)
今回のオリンピックは「広く開かれた大会」というテーマで、市民参加型のイベントがいたるところで行われていました。
その中でもこちらの「クラブフランス」という施設は参加型のレベルが群を抜いてすごかったので、ちょっと映像でご覧いただければと思います。
中に入るとすぐにクライミングの施設がありまして、お子さんたちがチャレンジされていたりボクシングだったり射撃、陸上競技など、本当に参加型、熱中できるような設備がたくさんありました。
そして重量上げ、これ写真を撮れるようなところになっているんですけれども、これも可愛い姿、お子さんの姿見れましたし。「フリージュ」という公式マスコットがいますけれども、一緒に写真が撮れたりもできました。
パブリックビューイングは圧巻なんですよね。本当に日本でいう野外フェスのような、本当に広いところに大きな画面がありまして、空いている時も、いろんなタレントさんが出てきたりとか本当に盛り上がっていて、競技会場よりも盛り上がっていた印象がありました。
私は開会式から閉会まで取材をしてきましたが、本当にフランスは「国際イベントを盛り上げる力」がすさまじいなと感じました。
開会式をご覧になられた方がいらっしゃると思いますが、あの圧巻の開会式から閉会式でも、トム・クルーズさんが出てきたりということもありました。さらに、各競技場でもいろんな光だったり音だったりと、本当に演出がどれも凝っていて、いつでもどこでも本当に熱狂できるようになっていました。
我々は来年、大阪・関西万博がありますけれども、この世界を巻き込むこの盛り上げ方、力、そしてその周りで支える力というのは、本当に参考になるなと私自身も感じました。
(Q 今回のオリンピックについてパリ市民の反応はいかがですか?)
実をいうと、パリ市民の方の多くはオリンピックをパリでやることに反対だったそうなんですよ、最初は。
なんですけれども、オリンピックが開幕してからはこんなに盛り上がるとは正直思ってなかったということを口々におっしゃってまして、「最初ちょっと批判的なことを言ってたのを正直後悔しています」ということをおっしゃっている複数の方がいました。
11日、セーヌ川とつながる運河では、遊泳イベントが行われました。
セーヌ川の水質の問題というのも当初からずっと言われていまして、ネガティブなイメージがあったんですけども、水は正直きれいではありませんでしたが、パリ市民も他の国から来られた方も、すごく熱狂されて楽しんでいらっしゃって、盛り上げていく機運を作っていくのが本当に上手だなというふうに思いました。
(Q一方で、治安などはいかがでしたか?)
実は、このきらびやかな建物が見えますけども、ちょうど反対側を見ると、実はこの地域、結構治安が良くない地域でもあるんですね。
一歩道に入ると、真っ暗だったり、ちょっと雰囲気が変わったりとか、怖いなという印象がありました。
我々地下鉄に乗っている時にすりの集団に囲まれたことがあるんです。こういうカバンを前につけていたんですけれども、急に若い女性が近づいてきて、上の方を指差しながら話しかけてきたんですね。注意がこっちにそれている間に別のカップルがこちらから近づいてきて、このカバンを狙ってきたというようなことがありました。
こういう国際大会、きらびやかな部分と、ネガティブな部分というのは必ず混在します。それを警備でしっかりと乗り越えてきたのが、このパリオリンピックだと思いますけれども、こういった国際的なイベントを盛り上げていくということは、本当にいろんな部分で参考になるなと感じた大会でした。