兵庫県の斎藤元彦知事のパワハラなどの疑惑について調べる百条委員会が、9月に行われる証人尋問に対し、斎藤知事本人のほか、最側近だった片山安孝元副知事や元総務部長らに出頭要請を出していることが分かりました。尋問では、告発した元県民局長への聞き取りの経緯や、高級な特産品などの受領についての「おねだり」疑惑が追及される予定です。

　百条委員会では8月23日、斎藤知事からパワハラを実際に受けたり目撃したりした可能性がある職員6人に対する証人尋問が行われ、30日には斎藤知事本人にパワハラ疑惑に関しての尋問が予定されています。

　関係者によりますと、9月5日と6日に予定される証人尋問では、斎藤知事、片山元副知事、死亡した元県民局長への聞き取りを行った人事課を所管していた元総務部長、コーヒーメーカーの受領などの関わった原田剛治産業労働部長に出頭が要請されているということです。

　この問題で県は今年3月、報道機関などに告発文書を送付した元県民局長が、後日、公益通報窓口にも文書を提出していたにもかかわらず、内部調査を実施したうえ、懲戒処分を出していました。この対応が「公益通報者保護法に違反するのではないか」と問題視されていて、証人尋問では経緯について質問される予定です。

　片山元副知事は元県民局長の聞き取り調査を行っていたことが分かっています。また元県民局長の処分を検討する綱紀委員会で委員長を務めた元総務部長は、人事当局から「公益通報の調査結果を待つべきではないか」と指摘されていたにもかかわらず、問題はないとして処分の検討を急がせたとされています。

　一方、産業労働部長は告発文書上で知事の指示をうけ、視察先の企業でコーヒーメーカーを受け取ったと指摘されています。5、6日の証人尋問ではこのような知事の「おねだり」疑惑についても取り上げられる予定です。