【速報】民間ロケット「カイロス」午前11時に打ち上げも「飛行中断措置」ミッション達成困難と判断 和歌山・串本町の日本初の民間発射場 今年3月の爆発から約9か月
18日午前11時00分、「カイロス2号機」が無事に打ち上げられ、打ち上げ3分後無事にロケットの1段目と2段目を分離したことをスペースワン社が明らかにしました。
しかし、11時15分、スペースワン社は、ミッション達成困難と判断し、飛行中断措置を行ったことを発表しました。このあとの会見で、詳しい判断理由について、説明する予定です。
ロケット開発を行う民間企業「スペースワン」は、和歌山県串本町の民間発射場で「カイロス2号機」の打ち上げを18日午前11時00分に実施、無事に打ち上げられました。当初は14日の打ち上げを目指していましたが、直前に「強風」のために突如「延期」され、15日に再設定された打ち上げも風の影響で再度延期が発表。今回が2号機として三度目となる打ち上げの挑戦でした。
スペースワンは、民間としては日本で初めてとなるロケットの発射場を串本町に整備し、ことし3月、民間ロケット「カイロス」を打ち上げましたが、発射直後に爆発し墜落しています。
爆発の原因についてスペースワンは「推力の不足による速度の低下で正常飛行範囲から逸脱したことで安全装置が作動した」としています。
ロケット「カイロス2号機」は初号機と同じく、全長約18メートル重さ約23トンと、既存のロケットの中では小型です。名前の由来はギリシャ神話の「時間の神様」からとられています。スペースワンは、契約から打ち上げまでを世界最短の1年以内にすることを目標にしています。
日本のロケット打ち上げはこれまで、宇宙航空研究開発機構(JAXA)などが主導していました。民間では2019年5月に、北海道大樹町でベンチャー企業「インターステラテクノロジズ」が開発したロケットが初めて打ち上げに成功しましたが、人工衛星は搭載していませんでした。
「カイロス2号機」は、初号機と比べて燃焼速度の予測などを見直し改良を加え、さらに搭載する衛星は1基から5基へ増加しています。衛星が軌道に投入されれば民間では初めての快挙でした。
スペースワンは打ち上げ費用を明らかにしていませんが、1回あたり約8億円で人工衛星を打ち上げ可能とされる米国企業「ロケットラボ」にも引けを取らない価格を目指すとし、打ち上げの頻度は2020年代中に1年あたり20回を目標に掲げています。