2日続けて「上空の強風の影響」により打ち上げが延期となっていた民間の小型ロケット「カイロス2号機」について、ロケットを開発した「スペースワン」は16日、12月18日午前11時に打ち上げを行うと正式に発表しました。

　ロケット開発を行う民間企業「スペースワン」は、小型衛星を宇宙に運搬する事業化を目指し、和歌山県串本町に民間初のロケット発射場「スペースポート紀伊」を完成させ、全長18メートルの小型ロケット「カイロス」を開発しました。2号機には5基の人工衛星が搭載され、軌道投入に成功すれば、民間では日本初の快挙となります。

　今年3月13日に打ち上げられた初号機は、打ち上げからわか5秒で爆発し、墜落。スペースワンによりますと、何らかの異常を確認した場合に自動的に飛行中断する「自律飛行安全システム」が作動したために爆発し、原因については「推力が低く速度が不足し、設定していた正常飛行範囲から逸脱したため」と発表しました。

　2号機の打ち上げは12月14日に予定されていましたが、「高度10キロメートル以上での風速が強かった」ことを理由に、直前に打ち上げの中止を決定。再設定された15日も同じ理由で打ち上げが延期となりました。

　スペースワンの阿部耕三執行役員は15日に行われた会見で、「2日連続の延期ということで、ベストを尽くしたつもりだが、結果としてこのような形になった。本当に申し訳ない」などと話していました。

　会見でスペースワンは、12月18日午前11時の打ち上げを目指すと発表し、関係機関との調整を進めていました。発射場周辺の見学場のチケットは、延期の場合でも今月27日まで有効で、18日も利用できるということです。