【箱根駅伝】東洋大学 “絶望を味わった2区”から復活 キーマンの石田洸介「任された区間を全力で全うしたい」
■積み重ねた伝統・・・今季の目標は“鉄紺の覚醒”
1933年の第14回大会に初出場した東洋大は、出場回数歴代5位の82回、総合優勝は4回を誇る駅伝名門校。
前回節目の第100回大会では、「強い東洋を取り戻す」と3位以内という目標を掲げ、3位に21秒差の4位。継続中としては最長記録となる19年連続のシード権を獲得しました。
今季、酒井俊幸監督が掲げたスローガンは“鉄紺の覚醒”です。酒井監督は、「昨年は『再建』だったが、昨年の一歩からさらに突き進めるような、そういう狙いを込めて『覚醒』というスローガンを使った」と力を込めました。
■“絶望”を味わった2年前の2区 そこから復活した4年生のキーマン
中でもキーマンとして注目されるのが2年ぶりの箱根駅伝のメンバー16人に入った4年生の石田洸介選手です。
5000メートルで日本高校記録をマークし、駅伝名門・東洋大へ入学。2年生のときに初めて箱根駅伝を走りましたが、2区で区間19位。度重なる故障も重なり、昨季はメンバー落ちするなど、大きな挫折を味わいました。
一時は陸上を離れた時期もあったといいますが、5月の関東インカレ1部10000メートルでは、28分08秒29と自己ベストを更新する快走で6位入賞。東洋大の“覚醒”に、欠かせない存在が戻ってきました。
主将の梅崎蓮選手は、同期の復活に「(石田が)帰ってきてくれてありがたい。関東インカレであの走りをしてポテンシャルはかなりあるので、自分も負けないように慢心せず頑張りたい」と笑顔。
石田選手は自身2年ぶりとなる箱根路へ、「去年全日本のシード権を落として、箱根は4位まで持っていったというところの『鉄紺の再建』をもっとレベルアップさせないといけない。自分たちの代で“強い東洋を取り戻したい”という思いがある中での『鉄紺の覚醒』というスローガンなので、1秒を削り出す走りであったり、ひるまず前へという東洋の選手らしく走れれば結果はついてくる」と力強く話します。
また「自分は1人で何とかしたいわけではなく、みんなで勝ち取りたいと思っているので、ぞれぞれが『鉄紺のエース』だと思っている。任された区間を全力で全うしたいと思っている。それが絶望を味わった2区でもそうだし、走ってよかった。いろいろな人に見てもらえてよかったと思える駅伝にしたい」と決意を込めました。