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選手権、それぞれの作り上げたスタイル

2022年1月1日 17:43
選手権、それぞれの作り上げたスタイル

熱戦が続く全国高校サッカー選手権大会はいよいよ2日から3回戦が始まります。今回は、日本テレビの中野謙吾アナウンサーが過去の取材、試合実況を通じて感じた“チームの年輪”を紹介します。

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今回で100回目を迎える全国高校サッカー選手権大会。数多くの名勝負が生まれてきました。

その中の一つが、98回大会(2019年度)決勝、2度目の選手権優勝を目指した静岡学園高校と大会連覇を狙った青森山田高校の一戦です。お互いに強烈な個性とフィロソフィーを持った両チームが、満員の埼玉スタジアム2○○2で激突。

静岡学園は「Rhythm Technique Intelligence」をスローガンにするテクニック集団。普段の練習でもウォーミングアップから一人一つのボールを使い、足下のテクニックを徹底的に磨いています。

川口修監督は、「このスタイルにこだわりを持っている。試合に勝つだけならいくらでも方法はあるが、このスタイルで日本一になる事に意味がある。圧倒的なテクニックを身につけ、卒業後も次のカテゴリーで戦える武器を高校3年間で作り上げる。それが静岡学園」と語ってくれました。

一方の青森山田は一年の4分の1は深い雪にグラウンドが覆われ、雪中サッカーで鍛えた圧倒的なフィジカルは高校生離れしており、それに加えてロングスローや正確なセットプレーから得点を量産する総合力が武器のチーム。

指導する黒田剛監督は、「環境が厳しい事はあたり前。全員がそれを理解して強い覚悟を持って入学してくる。その覚悟の強さこそが青森山田の強さ。サッカーにおいては何か一つの強さではなく、何でもできるチーム。苦手を作らない事が大切」だと常日頃から話をしていました。

異なったスタイルがぶつかった試合はまさにシーソーゲーム。セットプレーで先制、カウンターを起点にファウルを誘いPKで2点目を奪った青森山田。それに対してゴール前での粘り強さ、個人技で追いついた静岡学園。最後はギリギリの戦いで紙一重の差で決勝ゴールをあげた静岡学園が2度目の全国優勝を達成しました。

お互いの個性、積み上げてきた3年間を決勝の舞台で遺憾なく発揮した歴史に残る戦いでした。

高校サッカーは出場する全てのチームにスタイルがあります。学校のある地域、環境、監督の哲学、それぞれ同じ物は全くなく100回の歴史の中で各学校が少しずつ作り上げてきた“年輪”の様な物です。

そのスタイルとスタイルが選手権という最高の舞台でぶつかるからこそ物語は生まれるのです。その“年輪”を我々アナウンサーも深く取材し、テレビを通して発信する事で多くの子供達が、「自分もこのスタイルの学校で戦いたい」と思ってくれれば、またその“年輪”の模様が変化していくはずです。

100回目の選手権。今年はどんなスタイルが日本の頂点に立つのか。今からワクワクが止まりません。