高校サッカー・市立長野「スタイルを貫く」
今年で100回目を数える全国高校サッカー選手権大会が12月28日に開幕。長野県代表として初めて出場する長野市立長野高校は、31日に東山(京都)との対戦が決まりました。11月6日に行われた決勝を振り返り、全国での戦いを展望します。
■長野市立長野高校(初出場)
長野県大会の決勝は、4年ぶり2度目の決勝進出を果たした市立長野(準決勝まで4試合24得点無失点)、9年ぶり4度目の決勝の長野日大(準決勝まで4試合13得点3失点)が対戦。どちらが勝っても初優勝、県大会史上初の長野市勢同士の対戦となりました。
市立長野は前半16分、ゴール前で与えたフリーキックから失点。しかし、選手たちは冷静さを失わず、前半33分に木下武蔵選手のゴールで同点に追いつきます。ただ、試合はまだ動きました。前半37分に、長野日大の笠原大靖選手に技ありのゴールで再びリードを許し、前半を終えます。
芦田徹監督はハーフタイムに「まだ40分あるから大丈夫」と選手たちを安心させ、「動き出しに緩急をつけよう」と指示しました。
後半に入り、指示通りの動き出しでペースをつかむと、後半6分にペナルティーエリアの混戦から木下選手が突破。右足のシュートでゴールネットを揺らし、再び同点に追いつきました。
その後は、ボールを支配し、得意のパスサッカーを展開。後半31分にゴール前でフリーだった木下選手がクロスを叩き込み、ハットトリック達成。逆転に成功し、4年ぶりの決勝で、全国大会の切符を手にしました。
試合後、芦田監督は「自分たちがやってきたことを信じて最後までやってくれたことが本当にうれしい」と選手たちの頑張りをたたえました。
ハットトリックを達成した木下選手は「みんなと顔を合わせて、失点しても立て直せた。サッカー人生の中でもハットトリックは多くなく、決勝の舞台で貢献できてうれしい」と喜びをかみしめていました。
選手権初の舞台に向けて、尾崎裕人キャプテンは「全国大会はどこが相手でも格上、自分たちのサッカーがどこまで通用するか楽しみ、スタイルを貫いて戦い抜きたい」と決意を胸にしていました。
※写真は木下武蔵選手
【近年の長野県代表の成績】
96回大会で上田西が県勢初のベスト4に入っています。
(取材・文:高校サッカー選手権民放43社/テレビ信州)