情勢緊迫の中…ウクライナ選手とROC選手がメダル獲得で"ハグ"
ロシアがウクライナ国境付近に軍を展開し両国間で情勢が緊迫する中、北京五輪のフリースタイルスキー競技に出場したウクライナとROC(ロシアオリンピック委員会)の選手が2位と3位に。競技後に握手とハグで健闘をたたえ合う姿が見られました。
■競技後に笑顔で"バックハグ"
現地時間16日夜に行われた北京五輪フリースタイルスキー男子エアリアルの決勝。ウクライナとROCの選手が技を競い合いました。結果はウクライナのオレクサンドル・アブラメンコ選手が銀メダル、ROCのイリア・ブロフ選手が銅メダルを獲得しました。
中国人選手が金メダルを獲得し会場が盛り上がる中でその瞬間は訪れました。ウクライナ国旗を持ったアブラメンコ選手にブロフ選手が近づき背後からハグをしたのです。2人はさらに手を固く握り合い、笑顔で健闘をたたえ合いました。
このシーンは世界中に配信され、アメリカの有力紙ニューヨークタイムズは「2国間の緊張の高まりを超越したジェスチャーで祝福した」と伝えました。
■平昌でも熱い抱擁
実はこの2人、4年前の平昌五輪でもそろって表彰台にあがっていました。(アブラメンコ選手・金メダル、ブロフ選手・銅メダル)このときはアブラメンコ選手が自身の持つウクライナ国旗でブロフ選手を包み込むように熱い抱擁を交わしました。
■緊張状態続くウクライナ情勢
「平和の祭典」で見られた、対立地域を代表する選手2人の友好的なシーン。
ウクライナ情勢をめぐっては、ロシアが近く侵攻するとの観測も出るなど、依然として緊張状態が続いています。
今大会でも、11日のスケルトン男子に出場したウクライナの選手がカメラの前で「ウクライナに戦争はいらない」と書かれたメッセージを掲げ、「自分の国と世界の平和を望む」と述べたことが大きく報じられるなど、ウクライナとROCの選手の動向に注目が集まっていました。