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有働が聞く スノボ竹内「卵子凍結」…後編

2021年6月5日 1:11
有働が聞く スノボ竹内「卵子凍結」…後編

日本テレビ「news zero」より
~五輪メダリストが選んだ「卵子凍結」~後編

     ◇

選手としてのキャリアと、女性としての現実の間で見つけた一つの答え。スノーボードの竹内智香選手・37歳。30代半ばで「卵子凍結」を決断しました。

採卵前の10日間、卵子の数を増やすため、排卵誘発剤を自分で注射。通常、1か月に1個しか取れない卵子が、増えるようになると言います。

注射を打ち始めてから11日目。

医師
「ざっとみて左側(の卵巣)だけで、10個程度見える。これはちゃんと注射に反応していて、好ましい。あさっての採卵を組ませてもらって大丈夫かなと思います」


そして採卵当日。卵巣の状態を医師がモニター確認しながら、卵子を針で吸引していきます。最終的に採取された卵子は、20個ほど。無事、凍結保存されました。

■「卵子凍結」に賛否両論の声

竹内
「(卵子凍結を)公表するしないの話をしている時は、本当に半分半分でしたね、声は」

有働
「どういう声と、どういう声?」

竹内
「『すごくいいね』って言ってくれる人もいれば『命を軽く見ているんじゃないか』って言う人もいました。本当に色んな意見、考え方を聞いて。

実際に卵子を凍結して、すごく神秘的でもあったし、やっぱりそこで1回、時間が止まる。自分の中で焦っていた時間が止まることで、本当にそれが正しかったことなのか、命を軽く見てしまっているのか、いろんなことを考えさせられる時間でもあって。

でも私は最終的に今この時代に生まれて、この時代に生きているからこそ出会えた技術なので、やっぱり正しい判断、選択を自分の中でしたと思っています」

■出産・育児と競技続行の両立へ 環境の充実は

妊娠・出産・育児と、キャリアを両立する難しさ。子どもを出産し、五輪に出場した日本の女性アスリートはリオ五輪では164人中5人。平昌五輪では72人中1人とされ、その数は多くありません。

竹内
「五輪が終わったシーズンにすぐ子供を作って出産したとしても、そのシーズンは間違いなく出られない。次のシーズンに出たとしても、そこからまたナショナルチームに戻るための下部の大会から出ていって、次の五輪に4年で間に合わせるというのは、非常に厳しい。

でも例えばドイツやオーストリア、スイスのナショナルチームであれば、出産してカムバックしてくる選手は、下部の大会から出なくても、すぐにトップチームに戻れる保証が(ある)」

有働
「そうなんですか!」

竹内
「職場復帰の早さですよね。これは、これからの日本のスポーツ界の考えるべきテーマ。男子アスリートで、40歳前後で、まだ活躍しているトップ選手がいっぱいいて、みんな子供がいるんです。それがなぜできるかといったら、奥さんが家で子育てをしてくれて、サポートしてくれる環境があるから。

そういうのを見ると羨ましいなって思うと同時に、でも女性として生まれた、もうそれは宿命であり、もしかしたら女性にしか産めない幸せでもあると思うので。

そことどう上手く向き合って生きていくか、競技と向き合っていくか。男子選手に比べるとまだまだハンデがあって難しいですけども、今回はそういった卵子凍結という1つの選択肢を使うことができたので、そういった意味では一歩一歩できることを、探していくしかないのかなと思っています」

有働
「来年、その先で自分はどうなっているだろう、もしくはどうなっていたいと思いますか」

竹内
「理想は五輪が終わって、子供を授かることができて、また選手として、もう1回五輪に行けたらいいなとは思ってしまいます」

有働
「北京五輪の次?」

竹内
「はい」

有働
「すごいな、そうか!」

竹内
「その間にルールとか色んなものが変わっていて、カムバックしやすい環境であればもう1回トライしてみたい」

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