メダル5個「ひとつひとつに重み」鈴木孝幸
東京パラリンピックの水泳で出場5種目全てでメダルを獲得した鈴木孝幸選手が3日、メダリスト会見に臨みました。
――以下、会見の主な内容
――メダル獲得の感想
「今回、個人種目5種目に出場いたしまして、全てでメダルを獲得することができました。エントリーの時点では50m自由形を除いては全部3番エントリーでしたので、そこから順位を伸ばせた種目もあって大変うれしく思っていますし、100m自由形では金メダルも取れましたので、大変うれしく思っています」
――今大会を振り返って
「私はリオパラリンピックでメダルを獲得することができませんでした。そのあと取り組んだトレーニングと泳ぎのテクニックの変更、その2点がそれ以降のパフォーマンス向上に関係していると思います。また東京パラということで、大変多くの方に応援もいただきましたし、初めてメダルを取った個人メドレーの平泳ぎの後や、100m自由形で金メダルを取った後に、家族とか友人以外の方からも多くのメッセージをいただきまして、とても力になったと思っています。皆さんのおかげで5種目乗り切れたんじゃないかなと思っています」
――今大会を終えて欲しいものやしたいこと
「今やりたいことは髪を切りたいということと、趣味で将棋も指していますので、オンラインでの対戦も含めて将棋をしたりしてリフレッシュしたいなというのもあります。あとは(拠点の)イギリスから帰ってきてそのまま大会に臨みましたので、まだ家族にも会えてませんので、家族も含めて応援してくださった方々にご報告したいなというのもあります。やらなければいけないことでいうと、博士課程の論文はやらないといけないなというふうに思っています」
――メダルを5個手元に持った感想
「やはりパラリンピックのメダルということですごくひとつひとつに重みを感じますし、また、5個取れたということでさらなる思いとともに達成感というのも感じています」
――これまでの日本選手が獲得した6個の金メダルのうち、5個が静岡県出身の4選手。鈴木選手も静岡出身だが、静岡からトップ選手がこれほど出ている理由とは
「理由は正直わからないですけど、私の場合は、6歳の頃に水泳を始める段階で、近くに障がい者のスイミングスクールというのがあって、そこに通うことができたというのがひとつ大きなポイントだったと思いますし、私が6歳の時ですからもう30年前近く前の話になるわけですけど、その時点でそういう土壌があったというのは非常に大きいポイントだと思いますので、他競技においてもそういうことがあったのかなというのは今思ったりします」
――イギリスでしたいこと
「まずずっとトレーニングを支えてくださっているイギリスのコーチやトレーナーの方々にご報告をしっかりしたいなと思いますし、許されるならお酒の席とかも設けられたらと思いますけど、それはコロナの状態次第ですけど。本当にイギリスでも多くの方に応援していただきましたので、そういった方々にしっかりとメダルを見せてしっかり報告したいなというのが1番強いです」
――障がいのある人がスポーツを楽しむためにどんなことが必要か
「やはりハード面とソフト面のバリアフリーというのが欠かせないことと思いますので、まずは設備の面で障がいを持った方も使いやすい施設が増えるというのがひとつだと思いますし、あとはそういう障がいを持った方への理解、どういったことをサポートが必要で、逆にサポートをしすぎるとそれはまたその人にとってもよくないので、どういったニーズがあるのか、どういったサポートが必要でどういったサポートが要らないのかというのもそれぞれ違いますので、そういったところをご理解いただけるのが1番大きいかなというふうに思います。後は障がいを持っていてもみなさんと同じ人間ですので、教えるとかそういった部分ではそこまで差はないんじゃないかなと思っています。今回のパラリンピックで障がい者スポーツとか、障がいを持った人がスポーツに取り組んでいるということに対して理解が深まってもらえたらうれしく思います」
――会見で同席した山田美幸選手の活躍をどう思っているか
「成績面ではいうことがないくらい素晴らしい成績を14歳という若さで残してくれましたし、とても明るいキャラクターですのでチームの雰囲気もすごく明るくしてくれていますし、山田選手のこの銀メダルで日本のパラ水泳のチームもすごく盛り上がったので、すごくいい活躍をしてくれたと思いますし、今後パリ大会に向けてもすごく期待を持てる選手だと思います」
――今、1番食べたいもの
「食べたいものはお寿司です」
◇鈴木選手の獲得したメダル
金メダル:男子100m自由形S4
銀メダル:男子200m自由形S4
男子50m自由形S4
銅メダル:男子50m平泳ぎSB3
男子150m個人メドレーSM4
写真:アフロスポーツ
※会見に同席した左が山田選手、右が鈴木選手