バスケ・ホーバスHC 目指すチーム像とは

バスケットボール男子日本代表の新ヘッドコーチ(HC)に就任したトム・ホーバス氏。W杯アジア地区予選Window1・中国戦を27日に控え、日本テレビの取材に応じました。
ホーバスHCといえば、今夏の東京五輪で女子日本代表を史上初の銀メダルに導いた名将。五輪後の9月に男子代表HCに就任すると、積極的にBリーグを視察、大会に臨む24名の候補選手を選出しました。
選手たちに求めるプレーについてホーバスHCは「私のシステムには3ポイントシュートが必要です。長い3ポイントシュートはOK、空いたら打つ感じです」と3ポイントラインよりもさらに遠目から打つ“ディープ3”を挙げました。
女子代表HC時代にも3ポイントシュートを多用してきたホーバスHC。試投数(190本)、成功率(38.4%)はともに五輪出場国の中でトップ、選手たちに“ディープ3”も積極的に打たせました。
今回の代表候補の中にも3ポイントシュートを得意とする選手は多く、今季Bリーグ3ポイント成功率トップテンに比江島慎選手(宇都宮)、森川正明選手(横浜)、齋藤拓実選手(名古屋D)、寺嶋良選手(広島)、チェンバース アキ選手(群馬)が名を連ねています。今大会でも積極的に3ポイントシュート、特に“ディープ3”を打つ姿が見られるのか、見所です。
さらに、「相手の4番の選手(パワーフォワード)がペイントエリアのヘルプディフェンスにいけば、外にいる4番・5番(センター)も3ポイントを打つチャンスが多く出てきます。アウトサイドでプレーできる4番の選手、今すごく探しています」と3ポイントシュートを打てるビッグマンを求めていることも明かしました。
その一方で、大会直前合宿で力を入れたのはディフェンスだと言います。「私のシステムはペースが速いしシュートもよく打つので見ていて楽しいですよね。でも、楽しいバスケのためにはディフェンスが大事。だから練習は最初からディフェンス。細かい戦術なので頭に入れるのは時間がかかります」と“ディフェンス中心”の練習をしてきたというホーバスHC。
そして、今回選ばれた候補選手の中で注目したのが2年連続Bリーグのベストディフェンダー賞に輝いた藤井祐眞選手(川崎)でした。ホーバスHCは「彼はディフェンスが特別じゃないですか。レベルが高いです、アグレッシブディフェンスがすごいです。だから呼びました」と、しつこいディフェンスが売りの藤井選手を絶賛。今回の代表戦でも相手が嫌がるアグレッシブディフェンスを見せるのか、注目です。
27日、初陣の相手は格上の中国(世界ランク28位、日本は35位)。今年6月に行われたアジアカップでも2度対戦し2敗した相手です。それでもホーバスHCは、「中国に勝ちたい、1点差でもいい。強い速い日本のバスケットを見せたいですよ」と勝利への意気込みを見せました。さらにその先へ、「3年後のパリ五輪に出たい」と目標を語りました。
◆FIBA バスケットボールW杯2023 アジア地区予選Window1
27日(土) 中国代表vs日本代表 午後0時05分ティップオフ
28日(日) 日本代表vs中国代表 午後6時35分ティップオフ
写真:松尾/アフロスポーツ