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大雨被害の高校球児 特別な思いで迎える球春

2024年5月10日 18:25
大雨被害の高校球児 特別な思いで迎える球春

去年7月の大雨で被害を受けた五城目高校の野球部は、12日、春の県大会の初戦を迎えます。
大雨で道具や練習場所を一時失い、例年より調整が遅れる中迎えた球春。
大会に挑む選手の思いを廣田裕司アナが取材しました。


五城目町を東から西へと流れる馬場目川。

普段は穏やかな姿ですが、去年7月の大雨で氾濫し、
川のすぐ隣にある五城目高校の敷地にも水が溢れました。

さらに周辺の地区の内水氾濫も重なり、被害は校舎だけではなく、
川から離れたグラウンドにも及びました。

部員11人で練習に励む、五城目高校野球部。

現在は選手たちも伸び伸びとプレーしていますが、野球場も大雨の被害を受けました。

内野はすべて土を入れ替え、選手たちがグラウンドに立てるようになったのは、冬が近づく11月でした。

3棟あったビニールハウスにはすべて水が入り込み、衛生面などの問題で使えなくなりました。

悪天候でもバッティングやピッチングの練習ができる場所がなくなり、この冬は硬式のボールを使った練習は一切できませんでした。

1年生の夏からチームのエースとしてマウンドに立ってきたキャプテンの三浦叶聖選手は、今年、冬場の投げ込みが足りず、例年よりも調整が遅れていると感じています。

三浦叶聖主将
「自分は基本的に他のピッチャーと比べて投げて調節していく人なので、足りなかったです」
「変化球の精度が高まっていなかったので、いつもだと三振をとれるところとかあったんですけど、バットに当てられてしまっていたので、そこの部分が去年と比べて劣っているかなと思っています」

大雨の影響はほかにも。
ビニールハウスや倉庫で管理していた野球道具もすべて水につかりました。


去年7月に行われた片づけ作業には、すでに引退していた当時の3年生や保護者も駆けつけました。

ボールは泥をふきとって再利用しようとしましたが、においが残っていて、すべて廃棄せざるを得ませんでした。

そんな中、被害を知ったプロ野球の楽天と阪神から秋田県高野連を通じてボールが寄付されました。

ほかにも、秋田はもちろん岩手や広島の県高野連や、日本野球機構・NPBからも多くの善意が寄せられました。


苦難を乗り越えようやく迎えた、春。

野球ができる喜びと感謝の思いを胸に。

五城目高校野球部は、春の県大会初戦に臨みます。

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