【高校サッカー】公式カメラマンが語る「雪の決勝」の思い出
――高校サッカーの歴史を振り返った際に、避けて通れないのが大雪の国立競技場で開催された決勝戦ですね
76回大会の高校サッカー年鑑の表紙は「雪の決勝」です。試合の思い出もありますけど、当時はフィルムだったので、カメラの操作で大変だった記憶がありますね。フィルムを入れ替えてる時に雪が降りかかってはまずいですし、この頃はフィルムで連続撮影をしているんですけど、無理やり回すとフィルムが切れちゃったり、割れちゃったりするんですよ。そこにすごい気を遣いましたね。でも撮影しがいのある試合でした。中田浩二選手や本山雅志選手とか、元気な選手がいましたし。あと、帝京の黄色と、東福岡の赤っていう、色のコントラストも非常にきれいでしたね。
――高校サッカーの歴史を振り返った際に帝京の存在は?
帝京が果たしてくれた高校サッカーへの貢献は非常に大きなものがありますよね。首都圏開催になった後の高校サッカーの主役と言ってもいいくらいです。そしてあの頃の帝京は本当に元気な選手が多かったです。東京の住宅街にある狭いグラウンドでやっている練習もおもしろかったですし(現在は、帝京科学大学のグラウンドで練習)、一生懸命サッカーに打ち込んでましたよね。古沼貞雄監督もおもしろい方です。今大会はひさびさの出場になりますけど、新しいチームとして期待したいですね。
――12月28日(土)の開幕戦で帝京と国立競技場で戦うのが京都橘。どんな印象ですか?
京都橘は、91回大会で準優勝していますが、米澤一成監督がおもしろすぎますね。今年、高校サッカー選抜のヨーロッパ遠征選抜でご一緒したんですけど、もう、チアリーダーですよね。いかにコンディション、メンタルコンディションを上げていくかということについて、 ものすごく気を遣って、率先して動いて、わさわさした感覚っていうのを常に作っていました。すごく選手を尊重しているし、選手の伸びしろやチームのバランスっていうのを考えていくので、僕はとても選手の起用も含めて好きでしたね。あの考え方が。とても尊敬しています。サッカーとしては、ムービングフットボールじゃないですけど、全体が動きながら作っていく比較的近代的なサッカーを目指しているので、選手がそれについていければ、おもしろいと思うんですよ。
12月28日(土)、東京B・帝京と京都・京都橘の初戦は国立競技場での開幕戦です。