特集「キャッチ」日産自動車九州の野球部が15年ぶりに復活 野球の火は消さない 歴史をつなぐ指揮官の思い 福岡
夢中になって白球を追いかける若者たち。ユニホームには「日産」の文字が刻まれています。
福岡県苅田町で活動する日産自動車九州 野球部です。
■日産自動車九州 野球部・植山文彦監督(55)
「ここからこの範囲で粘って(バットを)出し切らんと。」
そのチームのかじ取りをするのが監督の植山文彦さん(55)です。
■日産自動車九州 野球部・植山文彦監督(55)
(Q.一番うれしいのは植山監督では?)「当然です。こうやってもう一回野球ができる。本気で野球ができるのはうれしい。」
植山監督にとって“日産”の名前を背負って野球ができるのは、決して当たり前のことではありません。
1986年の創部以来、全国大会15回の出場を誇る日産九州野球部。植山監督は選手として15年プレーし、キャプテンも経験しました。
しかし、リーマンショックにより多くの企業が業績不振に陥り、日産もそのあおりを受けて2009年に野球部の活動を休止したのです。
植山監督ら野球部OBは活動休止の翌年に、日産九州で働く選手を中心としたクラブチームを発足させます。
■植山監督
「“野球の灯”を消してしまうと何もなくなるので、チームを存続させようと。」
14年間チームを指揮しながら、再び企業チームとして復活できる日を待ち望んでいました。
その吉報が届いたのは突然のことでした。去年9月、日産が日産九州野球部を15年ぶりに復活させることを発表したのです。
業績が回復したことなどが理由で、植山さんが監督を務めるクラブチームを中心に選手が編成されることになりました。
■植山監督
「(企業チームの活動再開について)正直もう無理かなということもありましたが、自分がやってきたことが正しかったというか、評価されたというか、そういう思いで14年間の苦しかった思いが込み上げてきた。」