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ライジングゼファー福岡 掲げた目標は『Bリーグプレミア』 課題は地域貢献

2023年10月25日 17:56
ライジングゼファー福岡 掲げた目標は『Bリーグプレミア』 課題は地域貢献
ライジングゼファー福岡

バスケットボールBリーグが10月に開幕しました。地元・ライジングゼファー福岡は、1部昇格を目指します。それとともに、地域に根を張り、より高い目標を達成するための挑戦を追いました。

ことし行われたバスケットボールのワールドカップで、日本は歴史的な勝利を重ね、48年ぶりとなる自力でのオリンピック出場をつかみ取りました。

国内のバスケ熱が高まる中、9月19日に行われたB2・ライジングゼファー福岡の新体制発表会では、B1昇格とともに大きな目標が掲げられました。

■ライジングゼファー福岡・古川 宏一郎社長
「われわれライジングゼファー福岡も、『Bリーグプレミア』参入に向けて挑戦します。」

Bリーグは3年後の2026年、ほかのスポーツにはないエンターテインメントを目指すとして、競技成績重視のリーグ方式から経営成績重視へと舵を切ります。

ライジングが目指す『Bリーグプレミア』は、そのトップリーグです。

参入には、平均入場者数4000人、年間売り上げ12億円を、2年連続で達成することなどが求められています。昨シーズンのライジングは、平均入場者数1200人、年間売り上げは7.9億円でした。

立ちはだかる壁に挑むクラブの旗振り役が、古川宏一郎社長です。

サッカーJ1、横浜F・マリノスの社長などを務めたスポーツ経営のエキスパートで、2022年1月に社長に就任しました。来シーズンから始まる『Bリーグプレミア』参入の審査に向け、ワールドカップイヤーの2023年は、まさに勝負の一年です。

■古川社長
「2023年はまず平均2400人、そして売上高9億円を目指して、計画をクラブとして進めて参ります。その先に、積み重ねた先に4000人、12億円という目標を達成することができると思っています。」

挑戦表明から1週間後に行われたプレシーズンマッチでは、約2200人の歓声を浴び、終盤に試合をひっくり返す劇的な勝利を飾りました。

ただ、古川社長はその先を見ていました。

■古川社長
「手応えというよりも、ワールドカップ効果はすごく大きかったなと感じます。」

昨シーズン、3年後の『Bリーグプレミア』の参入条件である平均入場者数4000人を達成したのは、わずか5クラブでした。

この厳しく高いハードルを超えるためにも、無料開催だったこの試合を、ファンを増やす“呼び水”と位置づけていました。

■ 古川社長
「お金を払ってでも見たいと思ってもらえる方をどう増やすか。“地元のクラブ”という認識をしてもらう必要があるというところを考えました。」

クラブ名に触れる機会を増やそうと、商業施設や駅にのぼりやユニホームを展示し、さらに、繁華街にある巨大ビジョンで、試合の告知も始めました。

■加藤 寿一選手
「お疲れさまです。すみません、遅れました。」
■古川社長
「お待ちしていました。」

選手と待ち合わせての昼食には目的がありました。

■古川社長
「うちはいま、ファンクラブの人たち向けに2023年はこれでやると決めているけど、やり方とかどういう風にとか、なんかある?」
■加藤選手「すごくよかったなと思ったのは、(過去に)やってきた中で1回あったのが、最初にちょっとしたトークショーをしてからサイン会をしたんですよ。それはすごく盛り上がりました。」
■古川社長
「試合後?」
■加藤選手
「試合後。」

2度、3度と繰り返し来てもらうために、試合以外でも楽しかったと思ってもらうにはどうすればいいか、ほかのクラブでもプレーしていた加藤選手や、若手の中田選手に意見を聞き、積極的にアイデアを取り入れます。

■古川社長
「それ面白いね!」
「(いまからどちらに?)学思館という学習塾をしている会社に訪問させていただきます。」

向かった先は、目前に迫った試合の集客に協力してくれたスポンサー企業です。

■古川佐長
「飯塚開催でもたくさんの方を動員いただいてありがとうございました。」

■学思館・田畑穣社長
「地域が一体となって頑張りましょうと。できるだけ子どもたちがいい経験をするものに広告費を使いたいというのがあり、向上心を持ってということで、そういったところで(ライジングに)すごく共感できるところはあります。」

今回の訪問の大きな目的は、ひとつの相談でした。

■古川社長
「地域貢献という形でクラブがやっていることに興味ある企業さんがいらっしゃったら、ご紹介いただけないかなと思いまして。」

ライジングは選手による保育園へのゴールの寄贈や子ども食堂への訪問のほか、海岸の清掃活動など地域への貢献活動を行っています。

活動の幅を広げるため、一緒に取り組んでくれる企業を探していました。

■古川社長
「2年前に着任していろんなところにあいさつした際に、『ライジングってお願いばかりで地域のためになんもしとらんもんね』と言われたのが心に刺さって。」

■田畑社長
「聞きながらあれもできる、これもできる、この業種の方…と。やりたいですね、こいうことがやれたらいいなと。もっと速いスピードでとか、もっと大きな規模で、とやっていかないと、26年の目標には届かないと思うので、成し遂げて、本当にみんなと喜びたいなと思います。」

10月に飯塚で行われたホーム開幕戦では、社長自ら会場設営に加わって試合に向けた準備が進められ、そして、スーツに着替え、チケット売り場にも立ちました。

■古川社長
「まだまだ空席が目立っていたので。あとこれから、もうひと伸びがあるかどうか…。」

試合では、宗像高校出身・兒玉選手がトリッキーなパスを出し、さらには、ギャビン・ウェア選手が豪快なダンクシュートを決めるなど、会場を沸かせるプレーでライジングが勝利をつかみました。

しかし、この試合の目標としていた入場者2000人には届きませんでした。

それでも、今シーズン初のホームゲームは、次につながる反響がありました。

■古川社長
「飯塚での試合が終わって、スポンサー企業の方からチケットまだ取れるのかという質問が、前日からけっこう多くきている。」

スポンサー企業からの問い合わせをはじめ、チケットの売れ行きがこれまでにない伸びをみせたといいます。

大きな目標に向けて小さな一歩を踏みだしました。勝負の一年を駆け抜けるための“福岡一丸”の挑戦は始まったばかりです。

■古川社長
「満員の会場で選手たちがプレーする。そういう場を作ってあげたいなと思いますし、(地域の人に)誇りに思ってもらえるような、そういうクラブを目指していきたい。」

ライジングゼファー福岡の次のホームゲームは、27日(金)と28日(土)、福岡市東区の照葉積水ハウスアリーナで行われます。

この試合にクラブは、福岡市東区をはじめ一部地域の小・中学生を無料招待するということです。詳しくは、ライジングゼファー福岡のホームページをご覧ください。

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