存在があまり知られていないミルハス地下の小ホールをライブハウスとして活用! 仕掛けた運営と利用者の思いは…
オープンから3年目、秋田市にある"あきた芸術劇場ミルハス"は様々なコンサートやイベントなどで多くの県民に利用されています。
しかし、地下にある小ホールに足を踏み入れたことがある人は少ないのではないでしょうか。
そこでホールの運営側が考えたのがこれまでになかった使い方です。
利用促進に繋げられるのか、その第一弾イベントを取材しました。
※3月20日・26日取材
リポート劇団四季出身 進藤拓実記者
「オープンから3周年となるあきた芸術劇場ミルハス。こちらのエスカレーターを上り、大ホールや中ホールでイベントを楽しんだ人も多いのではないでしょうか。」
「ミルハスは秋田杉をふんだんに使った格調高い造りが特徴で、これまでにも様々なコンサートやセレモニーで利用されてきました。」
「去年10月には、かつて私が出演したこともある劇団四季のイエス・キリストを題材にしたミュージカルが上演され賑わったと聞きました。」
「さて、一方であまり知られていないのが、小ホールの存在です。オープンからだいぶ経ちますが、街の人からは、そもそもどこにあるのか知らない、どういう使い方ができるのかわからないといった声も多く聞かれるそうです。」
「それもそのはず、こちらのエントランスからは少し離れたところにあるんです、実際に向かってみましょう」
外の光が差し込むエントランスの奥。明るい雰囲気からは少し空気感が変わる通路を進んでいくと、見えてくるのは駐車場側の入り口です。
この近くにはエレベーターもあります。その横にある階段を降りていくと…。
「こちらの地下1階にあるのが小ホールです。少しわかりにくいですよね。そのためか認知度がなかなか上がらず、利用も進んでいないということです。」
壁に貼られた大きな鏡や劇場でも使われるフローリング、照明設備も整えられている小ホール。150人ほどを収容でき、主にダンスや演劇を想定して作られました。
年間の稼働率は大ホールと中ホールの約85%に遠く及ばず50パーセント程度。半分の日数しか利用されていません。
そこでミルハスの運営側が考えたのが…ライブハウスとして使ってみようという試みです。出演したのは秋田市を拠点に活動するロックバンド「T.O.C.A」。
それに秋田市内の高校生で作る2組の音楽バンドです。
ミルハスを若い世代の音楽活動に利用してもらおうと、アーティストとしても活動しているミルハスの担当者が参加を呼びかけました。
ミルハス企画事業・広報課 古谷優貴さん(バンド「鴉」のメンバー)
「ウェブ会議だったりとか、ちょっとした式典だったりとか、そんな使い方しか今してなくて、せっかくミルハスできてまだ3年しか経ってないのに、これはちょっとみたいな感じで思いまして、ミルハス側からいろんな使い方をしてみたいなと思ったのが企画の発端で」
秋田北高校 黒崎眞歩さん
「ライブをできる場所があんまりなくて、活動の幅が広がるとなったら、多分ミルハスっていうといろんな人来てくれると思うし、嬉しいです」
高校生たちは普段、秋田市内にあるライブハウスのイベントやエリアなかいちで開かれる“学生ライブ”で演奏を披露しているといいます。
活動の場が増えることに期待を寄せているのは高校生だけではありません。
T.O.C.A鈴木翔大さん
「みんな演奏もうまいし、あとはライブ経験積むだけかなって」「俺らが若い、同じ世代の頃ってこういう場所がなかったので、だから今、ある意味恵まれてるのかなとは思うんですけど、その分いっぱい活動してほしいなと思いますね」
秋田高校バンドBirdHereライブ中のMC
「もう照明がすごいんですよ、すごくやりやすいんですよ、みなさんの顔もしっかり見られて、この最高の環境でできることに感謝してきょうは全部オリジナル曲をやろうと思っているので楽しんでいってくださいよろしくお願いします」
秋田高校 小田嶋桜太郎さん
「(ライブハウスは)周りの友達に聞いても、行きたいと思ってるけど行きづらいんだよね、どんな場所か怖いんだよねって人が多くいて、こういうイベントが増えることで行きやすくなる、バンドっていうものに触れる機会が多くなればいいなって思いました」
秋田北高校 黒崎眞歩さん
「こういう機会を設けてもらって、もっとバンドに憧れて始める人が増えたらもっと秋田も盛り上がっていくんじゃないかなって思いました」
トリを飾った地元のアーティストのパフォーマンスで会場の盛り上がりは最高潮に。
約90人の観客とともに会場が一つになりました。
観客
「ここはここでまた何かこう違った盛り上がり方ができるなって思いました」
観客
「ライブハウスっていうと夜が多いので、やっぱりこういう日中の活用すごくいいなと思いました」
ミルハス企画事業・広報課 古谷優貴さん
「今回はライブハウスだったんですけど、それに限らずいろんな形でこの場所を使っていただけるような空間になったらなと思ってます」
今後は映画の上映会も計画されているそうで、新たな活用方法のさらなる広がりにも注目です。