秋田市外旭川の新スタジアム 県の想定負担額について佐竹知事「30億円は約束ではない」
秋田市の外旭川地区で建設が計画されている新たなスタジアムのあり方について、県議会で議論が交わされました。スタジアムは赤字を前提とした運営を想定していますが、県は、維持管理のための費用負担には否定的な見解を示し、整備費用についてもどの程度負担するか慎重に見極める考えを示しました。
県議会ではしめくくりの質疑である総括審査が行われ、複数の議員が、秋田市の外旭川地区で進めるまちづくり計画や、新たなスタジアムのあり方に対する県の方針について質しました。
新たなスタジアムは、建て替えを進める卸売市場の余剰地である秋田市の土地に建設を予定していますが、佐竹知事は、ある懸念の声を紹介しました。
佐竹知事「市場関係者は、きのうあたりから、あのスタジアム構想も含めて、市場の改築。あれに関し、もう1回白紙に戻すという、こういう動きが出てます。ですからこれ非常にね、あそこに赤字のね、赤字のままのせるってことは、これによって相当市場の方で動揺してますんで」
新たなスタジアムは、年間の収支が赤字となる前提の計画です。事業収入が、約1億3000万円であるのに対し、維持・管理や運営費用は、約3億円を見込んでいるため、年間1億7000万円の赤字になると試算されています。
新たに建て替えられる卸売市場を運営するための資金は、スタジアムを運営する事業者が支払う土地の使用料を充てる見込みであるため、持続的な運営が危ぶまれるスタジアムの計画に、市場関係者が懸念を示したと、佐竹知事は説明しました。
県は、建設のための整備費用約90億円のうち、30億円を負担する想定となっていますが、これについても、慎重に見極める考えを示しました。
佐竹知事「県もね30億。あれもね、約束ではないです。将来のね、将来の負担を行政がある程度ね、方向性はいいけども、約束はできませんので」
秋田市は13日、運営費の一部を行政が実質的に負担する手法もあると説明していましたが、佐竹知事は、否定的な考えを示しました。
佐竹知事「あの赤字をね、県も出すって言う人いますか。これ市のほうで、もう1回市場の納得いくようなことをしっかりやってから、話を持ってくるんだったらいいけどね」
佐竹知事は、完成後の運営を行政が担う、「公営」方式についても、赤字額の幅を圧縮する方法がない限り、難しいという見解を示しています。