イチゴ狩りシーズン到来でも…猛暑で生育遅れて人数制限の事態に 暖房費高騰で農園の負担増 「高級車買えるくらい暖房費で使った」 愛知・半田市
猛暑の影響はここにも…イチゴ狩りに異変
赤く色づいた今が旬の「イチゴ」。愛知県半田市の「いちご狩り&直売 市野園芸」では、1月11日からイチゴ狩りがスタートしました。
ズラリと並んだイチゴの苗には、小粒なものから大粒のものまでたくさんのイチゴが実っています。品種は口当たりが柔らかく甘味もたっぷりの「章姫(あきひめ)」。
シーズンが始まったばかりの「イチゴ」ですが…
市野園芸 市野敦紳さん:
「夏が暑すぎたということもあって(生育の)テンポが1か月ぐらい遅れちゃっています」
夏の猛暑と残暑が長引き、イチゴが花芽をつけて実を大きくする時間がほとんどなかったことで、生育不良に。市野さんによると、本来この時期はイチゴが鈴なりになっているということですが、今年はまだほとんどが緑色のまま…。
最新のイチゴの市場価格も、去年と同じ時期に比べて1.2倍ほどになっていました。
愛知県内20の農園に聞き取りをしたところ、7割以上がイチゴ狩りの開始時期を遅らせているということです。中には「2月までスタートできない」というところも。
市野園芸では例年12月中旬に始めていましたが、去年は1月6日に、今年はさらに遅らせて1月11日にオープン。それでも今年はイチゴの数が少ないため、受け入れ人数を半分程度に制限しているといいます。
市野園芸 市野敦紳さん:
「品種の変更も、今後考えてやっていかないと思っています」
来客数を減らしている農園にとって重い負担となっているのが暖房費。ビニールハウスが10棟ある市野園芸では、暖房費が1か月100万円以上になるとのこと。
市野園芸 市野敦紳さん:
「重油を使っているのですけど、ガソリン同様どんどん値段が上がっているものになるので、高級車買えるくらいは暖房費で使いましたね」
イチゴ狩りのお客さんを制限する中、力を入れているのは、敷地内で運営しているカフェ。去年収穫したイチゴを使ったスイーツなどを販売しています。
寒い季節におすすめなのが、練乳を加えた温かいイチゴミルクに、たっぷりの生クリームとフローズンストロベリー、真っ赤なソースをかけたイチゴづくしのドリンク「ホットいちごミルク」。イチゴのつぶつぶ感が味わえて、飲めば飲むほど味変していきます。
市野園芸では、今後2月から3月の気温が平年並みなら、収穫量増加が見込めると期待しているということです。