遠くの親戚より近くの「代行業者」を頼る時代!? 令和のありとあらゆる困りごとを解決! “宝探し” “座るだけ” “節分のアレ”など奇妙な依頼も続々…
現代のあらゆる困りごとを解決する代行業者は、人手が足りない時に助けてくれる、ありがたい存在です。しかし、この令和時代。時として想像を超える「なんじゃこりゃ!?」な困りごともあるようで…。そんな代行業者の仕事に密着しました。
買い出しから取り付けまですべてお任せ! 数時間で自宅がキラキラに変身
この日、取材班が本社を訪ねると、スタッフの1人が「行ってきまーす!」という元気なかけ声とともに、はしごを抱えて飛び出していきました。
後をついて行くと、ホームセンターに立ち寄って買い物をした後、依頼主の自宅へ向かい、庭やベランダでなにやら作業を始めました。今回は、ここ数年で増えている依頼ということですが、一体どんな仕事なのでしょうか…。
作業開始から数時間。辺りもすっかり暗くなった頃、「点灯~!」という声が上がると、依頼主の自宅がイルミネーションの優しい光に包まれました。
今回の依頼は、イルミネーションの買い出しから取り付けまで、すべて行うというもの。自分でやるとコードが絡まったりして意外と手を焼くので、依頼主は全部ベンリーにお任せすることにしたそうです。
家がキラキラになって依頼主の子どもたちも笑顔に! 「全部好き!」と気に入ってくれたようです!
数年に一度の珍案件 土に眠るお宝を掘り起こす依頼…?
10月24日、愛知県の尾張地方。ベンリーのスタッフ2人がトラックに荷物を積み込み、仕事の準備をしていました。
どんな依頼内容なのか尋ねてみると「珍しい案件ですね。楽しい仕事なので、結構わくわくしています」といいます。数年に一度あるかないかという珍しい案件ということですが、わくわくする仕事とは一体…。
到着したのは、草が生い茂る畑のような場所。さっそくスタッフは草刈りに取りかかりますが、草刈りが珍しい依頼なのでしょうか…? とはいえ、葉を切るだけでも結構な重労働。1時間ほどかかりました。
これでミッション完了…と思いきや、本番はここからでした。
生い茂る葉の下に隠されたお宝を掘り起こす、それが今回の依頼です。スタッフがシャベルで土を掘り起こすと、中から顔を出したのは、なんと「サツマイモ」!
今回の依頼は、大きく実ったサツマイモの収穫だったのです。苗を植えてから5か月もの時を経て、ようやく収穫できるサツマイモ。一番の楽しみであるはずの収穫の瞬間を、お金を払ってでもお願いするのにはわけがありました。
実は、依頼主は病気で手術が必要となり入院する事態に。畑仕事をやったことのない妹に芋掘りをしてほしいと言えず、依頼したといいます。
依頼主の女性:
「入院したら帰れないし、姉妹も(畑仕事が)嫌いなので、無理に頼むよりお金かかるけど(依頼した)」
つるの廃棄も含めて料金は1万4300円。芋掘りが終わると、スタッフは土を耕していました。依頼主が元気になったら、すぐに畑仕事が始められるようにという気遣いです。こういう配慮があるのも、代行業者にお願いしたくなる理由の一つなのかもしれません。
座っているだけで喜ばれる依頼とは…?
今年の夏、道路脇で座り込むベンリーのスタッフの姿がありました。ですが、ただ座っているだけで、何もしていません。体操したり、スマートフォンを見たりと、時間を持て余している様子。雨が降ってきても、傘をさしてずっと座ったまま。これでも仕事の真っ最中だといいますが…。
そのまま数時間が経過して辺りが暗くなったころ、「ど~ん!」という大きな音とともに頭上に咲いたのは、打ち上げ花火。
そこへ依頼主の家族がやって来ました。依頼されたのは、花火大会の場所取り。スタッフは3時間かけて、花火大会の最前列を確保していたのです。
特等席で打ち上げ花火を見ることができて、依頼主の子どもたちも「こんなきれいで近くで(見ることができて)来てよかった!」と満面の笑み。
仕事を終えたスタッフも、束の間の花火鑑賞を楽しんでいました。依頼内容も時代で変わるようです。
子ども園や一般家庭で好評! 節分の“鬼”を代行業者に依頼
2024年の節分。愛知県愛西市の子ども園「勝幡さくら園」では、園児たちが元気に豆まきをしていました。
豆まきに欠かせないものといえば“鬼”ですが、角の生えたかつらをかぶり、トラ柄のパンツをはいて、子どもたちが投げる豆を一身に受けているのも、実はベンリーのスタッフ。
なぜ節分の鬼を代行業者に依頼したのでしょうか。堀田園長に聞いてみると…。
勝幡さくら園 堀田真吾園長:
「昔は職員や私がやったりとか、お父さんにお願いする場合もあった。違う鬼がきたことでリアリティーがでたのかなと」
鬼のマンネリ防止が功を奏したのか、子どもたちは「おにはそと~!」と元気な声を上げながら、豆まきを楽しんでいました。
この節分の鬼は、一般家庭でも好評です。
依頼主:
「親も一緒に子どもと節分を楽しみたい。友達にお願いしようとしても、友達も家庭で節分をやっている。どこかに鬼を頼めるところがないかなと」
こちらの依頼主は、2023年から2年連続で鬼を依頼。来年の節分も頼む予定だと話します。
節分の鬼も代行業者に頼む時代になったようです。
結婚式から離婚後のゴタゴタまで 男女間の問題も代行業者が解決!
ベンリーへの依頼は“芋堀り”や“節分の鬼”のようなほのぼのとしたものばかりではないようです。時にはこんな緊急の依頼も。
結婚式を控えた新郎新婦から頼まれたのが、結婚式の代理出席。招待客として式に出席してほしいというものです。
連絡があったのは式当日の朝。披露宴は午後3時からだというので、スタッフをかき集め、スーツを着て会場へ向かいました。
ベンリー 大川眞也さん:
「新郎新婦が入場してくるまでは顔がわからない。ロビーとかに飾ってある写真を見て、この人からの依頼なんだと」
新郎新婦に会うのも初めてなのに、会社の代表に扮しスピーチまでこなしたというのです。もちろん、出席者全員で撮影する集合写真にも参加。
結婚式の代理出席は幸せな男女からの依頼ですが、男女間のもつれから舞い込む依頼もあるといいます。
ベンリーの大川さんが受けたのは、別れた元夫の家におばあちゃんの形見の時計を置いてきてしまったので、代わりにとりにいってほしいというもの。離婚した夫の家には、一歩も近づきたくないという依頼主に代わり、大事な時計を取りに行ったそうです。
もめごとの多い男女間。その隙間でも代行業者が活躍していました。
便利すぎてリピーターになる人が続出!?
次の依頼は、ハチの巣の駆除。市販のスプレーで退治しようとしたところ、急に襲ってきて刺されそうになったので、怖くなってベンリーに依頼したという依頼主。
防護服を着たスタッフが特殊な吸引機でハチを吸い取り、無事に駆除が完了しました。
工場の経営者だという依頼主の男性は、これまでに3度のピンチをベンリーに解決してもらったといいます。
1回目は、工場の中に入り込んだ猫の捕獲。2回目は、クーラーの効果を高めるために工場の巨大カーテンを移動。3回目は、サイズを間違えて購入した台車を電動工具で切って小さくしてもらったそうです。
何度もお願いしているので、もはやベンリーのスタッフは職場の一員のような存在だといいます。
実は、サツマイモの収穫を依頼した女性や、節分の鬼を依頼した園長もリピーター。一度困りごとを解決してもらうと、また呼んでしまうという人たちが増えているそうなのです。
昔より他人に頼みづらくなった時代。頼れるのは、遠くの親戚より近くの代行業者…という人が、これからますます増えていくのかもしれません。