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戦時中の食事を体験 東邦高校で“すいとん”の試食会 戦争や平和について考えるきっかけに

2023年12月14日 16:58
戦時中の食事を体験 東邦高校で“すいとん”の試食会 戦争や平和について考えるきっかけに
“すいとん”を作る生徒たち

12月13日、名古屋市名東区の東邦高校で、戦時中の食事を体験しようと、すいとん(水団)が振る舞われました。

この試食会を企画したのは、東邦高校の有志で作られた「名古屋空襲慰霊の日制定実行委員会」です。東邦高校では、今から79年前の1944年12月13日、アメリカ軍のB29爆撃機による初めての名古屋空襲で、勤労動員の生徒18人と教員2人が犠牲になりました。

企画した「実行委員会」の生徒は、戦中戦後の食べ物を食べて、戦争や平和について考えるきっかけになればと話していました。

すいとんは、蒸したサツマイモを潰し、小麦粉と同じ割り合いで捏ね一口大の丸い平らな団子にして、大根とカボチャを一緒に入れて醤油で味付けし、煮込みました。

試食会には、生徒や近隣に住む3組の人たちと名古屋市の職員も訪れ約30人が、すいとんを味わっていました。2歳と3歳の子どもを連れてきた主婦らは、「うちの子は、偏食が多いが、喜んで団子を食べている」「薄味で子どもにはちょうど良い 味付けで、優しい味」と話していました。

「実行委員会」の顧問水谷陽子教諭は、「戦時中のすいとんを食べたことはないが、その頃よりは、おいしくできたのでは」と話していました。

試食会の後は、2019年、名古屋市に戦争を考えるきっかけとして、「名古屋空襲慰霊の日」を制定してほしいと訴えたOBの礒部翔太さん(大学4年)が、「戦争の歴史を伝えていくことの重要性などを後輩たちに自分の体験を交えて話しました。礒部さんは、「自分たちも戦争があった歴史を多くの人に伝えるため活動していたが、いまの後輩たちは、フィールドワークで広島の高校生たちと交流をしたり、自分たちの頃よりパワーアップしている」と話しました。

最後は、東邦高校の正門のそばにある「平和の碑(へいわのいしぶみ」に「実行委員会」の生徒達が、慰霊の火をともし、献花をして、犠牲になった先輩や教員の追悼しました。

  • 中京テレビNEWS NNN
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