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三重県出身・西田有志選手に密着!“世界の壁”を突破するパワフルスパイクの秘密に迫る

2024年4月12日 0:00
三重県出身・西田有志選手に密着!“世界の壁”を突破するパワフルスパイクの秘密に迫る

男子バレーボール日本代表の左のエース、三重県出身の西田有志選手に密着。強さの秘密から結婚後の変化まで、ビーチバレー元日本代表の溝江明香さんが“スポーツキャスター”として取材しました。

元日本代表・溝江さんが“スポーツキャスター”として取材

先月15日、“あるアスリート”の新たなる挑戦が始まった。「アスリートのすごさの裏に、細かい努力とかが隠れているところを引き出せたらと思い、スポーツキャスターをやりたいなと思いました」そう語るのは、ビーチバレー元日本代表として活躍してきたトヨタ自動車所属の溝江明香さん。2009年高校卒業とともにビーチバレーに転向、当時は“かおる姫”とペアを組み、スター選手として注目されました。

そんな溝江さんが3月で23年間の現役生活にピリオドを打ち、この春からスポーツキャスターに転向。その第1弾となる今回、取材対象は溝江さんもよく知るバレーボール選手。取材する選手について、「すごいスーパースター選手。パワフルで雄叫びも、印象的なアスリート。会えるので楽しみにしています」と笑顔を滲ませた。

日本代表の左のエース!西田選手の本拠地に潜入

溝江さんが“会うことを楽しみにしている”というバレー界のスーパースターとは、日本代表の左のエース、三重県いなべ市出身の西田有志選手。

その武器は、最高到達点350㎝というジャンプから繰り出されるパワフルなスパイク。その驚異の身体能力はどこから生まれているのか?その秘密を探るべく、西田選手が所属するチームの本拠地に溝江さんが潜入しました。

この日は、リーグ戦最終戦に向けた前日練習。1人、入念にアップをしていた西田選手の姿を見て溝江さんがさっそく“あること”を発見。

「体の動かし方を見ていると、バランスとか細かいところのアップが長い印象ですね。開脚しているのも見ていたんですけど、柔軟性が高くて筋肉柔らかいんだなと思います。自分のどこの筋肉が動いているか、わかる人とわからない人がいる。(西田選手は)“わかるタイプ”なんじゃないかなと、今のアップを見ていて思いました」と、アスリートならではの目線で西田選手のアップ風景を見つめました。

実はこの日、西田選手は右足のふくらはぎの状態がよくないため、ウエイトトレーニング中心のメニュー。ウエイトトレーニングに励む西田選手の姿を見て、「スパイクのときの空中での“ブレなさ”は、こういったトレーニングで鍛えているかも」と話しました。

“空中で止まる”ジャンプの滞空時間を強化

トレーニング後、西田選手にインタビュー。溝江さんには西田選手に同じスパイカーとして、どうしても聞きたかったことがありました。

それは、体重変化によるジャンプへの影響。「筋肉をつけると体重変化するじゃないですか?それはジャンプのときに気になったりしますか?」という質問に対して、西田選手は、「特に僕はそこまで影響はないです。筋肉がついたあとの体の動かし方の問題。僕は腹圧トレーニングを多くする方。表側の腹筋が割れてるというより、インナーの方を鍛えているので、“空中で止まってるように”見えると思います」と話し、続けて「空中で止まるじゃないですけど、耐えられる。なので、“止まって”見える。我慢できる時間は、人より長いかなと思います」と答えました。

少しでもジャンプの滞空時間を長くし、相手のブロックを見定めコースに打ち分けることを、この1年間に取り組んできた西田選手。試合中の西田選手のスパイクを見ると、相手のブロックが少し遅れたことを確認するとすかさず、そこを狙い、強く打ち込んでいることが分かります。

「家族がいると喜びがわかり合える」

西田選手といえば、いつも試合会場で熱烈応援をするご両親が印象的。そんな両親について西田選手は、「常に応援してくれますし、常に味方でいてくれるので、ものすごい強いサポーター」と感謝の思いを述べます。

西田選手の両親が住む、三重の実家を訪ねると、部屋の中に大きなツーショットが!西田選手は、女子日本代表のキャプテン・古賀紗理那選手と一昨年12月31日に結婚を発表。新たな家族が誕生していました。

結婚後、西田選手に変化があったと話す両親。「ビックリするね、私たちに“気をつけて帰ってね”って。今まで言ったことなかったのに」と西田選手の変化を明かしました。

しかし、拠点は西田選手が大阪、古賀選手は神奈川のため、月に2回ぐらいしか一緒に過ごせてないそう。


西田選手も自身の変化を実感していました。「(結婚を機に)私生活がすごく変わった。よりストイックな生活になりました。自分が必要じゃないところに、時間を割く必要がなくなった。シンプルな生活をしています」と話す。溝江さんから古賀選手の好きなポイントについて聞かれると、「結婚した理由も全体的にリスペクトしてますし、“全部好き”が当たり前です」と回答。

続けて、「日本で一番のプレイヤーだと思っています。お互い理解してるからこその関係。独身の頃、優勝だったり、色々経験したけど、そこに家族がいるとより喜びがわかり合えると思いました」と、妻への思いを語りました。

パリ五輪への決意「結果を出すことが重要」

“そこに家族がいると、より喜びがわかり合える”と話した西田選手。そんなチャンスが、先月3月31日に行われた、Vリーグのファイナルラウンド決勝戦に巡ってきました。会場には、両親と妻・古賀選手の姿も。故障明けの西田選手は、試合に途中から出場です。

以前のインタビューで、自身の試合における役割について、「監督からは、"ゲームチェンジャーとしてしっかり仕事をしてほしい"と言われていた。見に来ている観客をこっちの味方つけられるのは、自分だけ。それが僕の役目だと思っています」と話した西田選手。

その言葉どおり、西田選手のプレーで会場の空気は一変。さらに、ケガの心配もなく、滞空時間の長いジャンプで相手のブロックを突き破ると、途中出場ながらチーム最多の18得点をたたき出す大活躍。優勝こそ届きませんでしたが、パリオリンピックに向け視界は良好のようです。

試合後、西田選手は、「もっと状態をあげて、次は日本代表なので、次にむかってやっていきたい」と話し、「代表に選ばれているメンバーは、パリ五輪が目標なので、パリ五輪で結果を出すことが重要。そちらにフォーカスして、いいパフォーマンスを出せるよう準備していきたい」と日本代表としての意気込みを語りました。

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