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政治資金パーティーに影響は…議員らの本音 「政治資金規正法」改正へ

2024年6月18日 19:25
政治資金パーティーに影響は…議員らの本音 「政治資金規正法」改正へ

18日、参議院・政治改革特別委員会では、岸田首相も出席して与野党による質疑が行われ、裏金事件の再発防止策を盛り込んだ「政治資金規正法改正案」が18日夜にも委員会で採決・可決される見通しです。この改正案の主なポイントをお伝えします。

鈴江奈々キャスター
「18日、参議院・政治改革特別委員会では、岸田首相も出席して与野党による質疑が行われました。裏金事件の再発防止策を盛り込んだ「政治資金規正法改正案」が18日夜にも委員会で採決・可決される見通しです」

「この改正案の主なポイントは2つです。政党から議員に支出される『政策活動費』は公開する義務がなく、“ブラックボックス”との指摘が出ています。これについては、10年後に領収書を公開することになります。そして、裏金事件の発端となった政治資金パーティーについては、パーティー券の購入者の公開基準を現在の20万円超から5万円超まで引き下げることなどが盛り込まれています」

「19日に参議院本会議で成立する見通しの改正案は、この政治資金パーティーなどにどのような影響を及ぼすのでしょうか? 私たちは先日行われたパーティーを取材し、議員や参加者たちの本音に迫りました」

記者
「こちらの会場では荷物検査が行われていて、参加者が続々と入っていきます」

16日、新潟県新発田市で、自民党議員の政治資金パーティーが開かれました。

記者
「今、麻生副総裁が会場に到着しました」

主催したのは、麻生副総裁の派閥に所属する斎藤洋明議員です。参加者を前に政治資金パーティーが必要だと考える理由を説明しました。

自民党 斎藤洋明議員
「良い政治をしようと思ったら、ある程度お金はかけた方が良い活動ができます。政策パンフレット1枚印刷したら、大体5円ぐらいかかります。(新潟)3区では14万軒、家がありますので、もし1軒に1枚お配りしようと思っても、それは最低70万円」

その上で斎藤議員は、昨年度の政治資金収入のうち、48%がパーティーでの収入だったと説明しました。(パーティー収入:48% 法人等からの寄付:27% 政党交付金:22%)

自民党 斎藤洋明議員
「経済的基盤がある方は、パーティーをやらなくても政治活動ができるかもしれないけれども、正直、私のように基盤の弱い者にとっては、政治資金パーティーというのは本当にありがたい催し。正しく政治資金を集めさせていただいて、正しく使わせていただいて、正しく情報公開をする」

このパーティーの会費は1万円。斎藤議員の事務所によると、約550人が参加したといいます。

政治資金パーティーは東京でも行われていました。6月5日には自民党の秋葉賢也元復興相が開催。

記者
「パーティーの参加者らが紙袋を持って出てきました」

6月7日には自民党の鈴木貴子青年局長が、6月12日には自民党の渡辺博道前復興相が開催しています。また、自民党の議員だけでなく、野党・立憲民主党の牧義夫議員も5月に政治資金パーティーを開催したことが明らかになっています。

パーティー会場から出てきた人たちに参加した理由をたずねました。

パーティーの参加者
「昔から存じている方(議員)なので、お誘いを受けて行った」

パーティーの参加者
「関連業界団体で応援しようという先生方がいる。(パーティーに)行ってみないとわからないと思ったので、今、行っている」

参加するために必要なパーティー券の購入。自民党が提出した改正案では、購入した人の公開基準を現在の20万円超えから5万円超えに引き下げるとしています。

今後の購入に影響はあるのでしょうか。

パーティーの参加者
「そこは半々な気はします。(名前が出ると)やはり気持ち悪いという部分もあるでしょうね」

パーティーの参加者
「個人としては応援したくても、例えば会社の役員であったりして、自分がこの人を応援していることが社員に結果的にメッセージになるようでしたら、やはりその金額は超えにくいと思います」

法律の改正による収入減を見越して備える議員もいます。

自民党 牧原秀樹衆院議員
「おはようございます。とにかく、政局ではなく政策で活動する牧原秀樹でございます」

自民党の牧原秀樹衆院議員は、親族に政治家はいない“非世襲”の議員で、年に2回開催する政治資金パーティーの利益が事務所の収入の5割弱を占めていました。

パーティー券購入者の公開基準引き下げについては…

自民党 牧原秀樹衆院議員
「それはかなり(影響が)出ると思います。現実は私が受けている感覚でも、名前が出ない範囲で応援をしたいって方がものすごく多いです」

すでに事務所の体制に影響がでていました。

自民党 牧原秀樹衆院議員
「ここ6席あるんですけれども、去年1人辞めて、今は1人空いたままになっています」

――その方の分の補充は?

自民党 牧原秀樹衆院議員
「もうできないということになります。1人いなくなるというのは、それだけ活動量が落ちるってことになりますので、大変な影響なんですけども」

さらに、年間約500か所で開催される企業や団体の会費制の会合についても…

自民党 牧原秀樹衆院議員
「会合はこういう祝電で済まさせていただいて、会費も失礼させていただいて」

――会合が1万円であれば祝電はいくら?

秘書
「604円です」

自民党 牧原秀樹衆院議員
「9400円ぐらい浮いている」

2~3割程度を祝電対応に切り替えたといいます。

自民党 牧原秀樹衆院議員
「他方でそういう会合に行ってお話をうかがうって非常に重要なことです。今、業界の景気はどうですか、とか。これって政治家としての本質だと思うんですけども、そういう機会を減らしてでも経費を減らさざるを得ない」

牧原議員は政治資金の透明化は必要とした上で…

自民党 牧原秀樹衆院議員
「政治資金を得る手段が細くなって、結果的にお金持ちが有利になって、会社経営をいっぱいしているような人、こういう人が(政治家に)増えていくんじゃないかという危惧はすごく感じています」