高温障害のコメ→玄米麺に変身 等級ダウンも「味への影響はほとんどない」 鯖江の農家が考案、消費拡大へ
記録的な猛暑となった去年。県内では農作物に被害が相次ぎました。コメもその1つで、鯖江市の農家はこのほど、高温障害で見た目の悪くなったコメを使ってユニークな商品を開発しました。
鯖江市河和田地区のコメ農家内田忠秀さんは今年、暑さに耐久性のある品種を増やすなど、猛暑に備えた対策を取っています。
■内田農産 内田忠秀専務
「(去年は)水管理をきちんとしていても高温障害が出てしまった。自分たちでコントロールできない部分が怖い」
県内では去年、高温障害の影響で主力のコシヒカリを中心に等級ダウンが相次ぎました。内田さんの農園でも影響は収穫量の1割に及び、被害額は数百万円に上りました。
いわゆる「1等米」は米粒の形が整い、透けるような色をしたコメの割合が7割以上のもので、等級ダウンによる味への影響はほとんどないといいます。
■内田農産 内田忠秀専務
「ただ見た目が悪いだけで食べてもらえない。加工にまわすことも大切なのかなと思っている」
こうしたコメを麺の原料の一部に活用したのがコシヒカリの「玄米麺」。試供品として取引先に渡していたところ、好評だったことからこのほど商品化しました。
半生タイプの麺はお湯に浸してレンジで1分半ほど加熱したら出来上がり。コシのある麺は、かめばかむほど玄米の香ばしさが口の中に広がります。おすすめの食べ方は、だししょうゆに卵黄を加えて刻みのりとネギをトッピングした「釜玉麺」です。
■内田農産 内田忠秀専務
「白米にはない玄米ならではの栄養素が入ったヘルシーな商品として、グルテンフリーの商品を作ろうと思った」
暑い日が続き、今シーズンも高温障害が懸念されるコメづくり。厳しい環境に苦労しながらも、コメの消費拡大へ新たな活路を見いだそうとしています。