投資詐欺・被害額は県内だけで11億以上 SNS使って"集団洗脳"も 投資への関心↑も背景に
SNSなどでうその投資話を持ちかけて高額の金をだまし取るいわゆる「投資詐欺」。県内の去年1年間の推定被害額は11億円にのぼり大きな問題となっています。(1月31日)
■「集団で洗脳されていくよう…」被害訴える男性が語る
詐欺の被害を訴えるのは県内在住のAさん。
■Aさん
「『明日は下がりますが、明後日からまた上がります』みたいな感じで言われる。周りの人も『言う通りですね』と言っていて、皆が洗脳されているような感じだった」
Aさんは去年5月ごろ、SNS上で投資の広告をみつけクリックしたところ投資の勉強会と称するグループチャットに招待されました。
その後著名な投資家の名前をかたる男性から「新しいエネルギープロジェクトへの投資に参加しないか」と話を持ちかけられました。
■「入金した瞬間アプリが消えた…」400万をだまし取られる
Aさんは去年7月から9月にかけて男性の指示に従い、保証金を含む400万円分の暗号資産を2回に分けて取引アプリを通じて送金しましたが…
■Aさん
「保証金を入れてくださいと言われ、グループの参加者みんなが保証金を入れた時点で、そのアプリが消えた」
その後、投資家を名乗る男性と連絡が取れなくなり、Aさんは400万円をだまし取られということです。
■Aさん
「やってしまったって感じ。こういう巧妙な手口は知らなかった。なんでこんなのに引っかかったのだろう。どうしようって思っても生きていかないといけない」
■推定被害総額は11億1135万円―特殊詐欺の18倍― SNS以外の手口も
このようにSNSなどでうその投資話を持ちかけて高額の金をだまし取るいわゆる「投資詐欺」の被害は全国で相次いでいます。
県警によりますと、県内の去年1年間の投資詐欺についての相談件数と被害認知件数はあわせて131件。
推定被害総額は11億1135万円となっています。これはオレオレ詐欺などの特殊詐欺の被害総額(6030万円)の18倍に上ります。
詐欺はSNSを介したケースだけではありません。
小浜市の40代女性は知人を通じて知り合った福岡県の無職の男から「スポーツ賭博のオッズの差を利用すれば必ず利益が出る」と噓の投資話をもちかけられ4850万円もの大金を騙し取られました。
■「自分と違う意見に耳を」投資への関心高まる中で冷静な判断を
■詐欺に詳しい
神戸女子大学心理学部 秋山学教授
「インフレ物価の上昇もある中で、資産の実質的な低下実質賃金の減少も相まって、投資への消費者の関心が強くなっている。投資に関わる話でノーリスクは100%ない。」
投資マインドが高まっている中で巧妙に甘い投資話を持ち掛ける手口。専門家はネット社会だからこそ注意が必要だと強調します。
■秋山教授
「自分と違う意見をあえて意識的に見に行くことは、詐欺に限らず、インターネット社会の中で大事になってくる。周りが”投資が良い良い”と言っている中で、”投資って怖いよね”と言う人達の声を少し聞いてみることが大事」
■「"ネットの知り合い"は簡単に信用しない」「振込先が個人口座はNG」「甘い言葉に注意」
県警では、SNS上で知り合った人がから勧められる投資は「投資詐欺」の可能性が高いと指摘します。
詐欺の被害に遭わないため、県警では、以下のポイントをあげて注意を呼びかけています。
①SNSやマッチングアプリなどインターネット上で知り合った人は簡単に信用しないこと
②投資する際、振り込み口座が個人口座でないかを確認すること
③「必ず儲かる」「投資に詳しい人を紹介します」という誘い文句には詐欺を疑う
投資への関心が高まる中でも、冷静に判断することが大切です。