「北陸応援割」スタート 予約殺到で旅館など争奪戦に 旅行関係者には明るい兆し 電話は一時つながりにくく
能登半島地震の影響を受けた観光業を支援する「北陸応援割」の予約受け付けが8日から始まりました。旅行代理店や温泉旅館には予約が殺到。新幹線開業とあわせて明るい兆しです。(3月8日)
福井市の旅行代理店では開店前から列が。
■列に並んだ人
「1時間半くらい(並んでいる)。(目的は)北陸応援割です」
「北陸応援割で芦原温泉に行きたい。東京にいる娘や孫たちを連れていきたくて」
能登半島地震で打撃を受けた北陸の観光を支援しようと国が1泊2万円を上限に旅行代金の半額を補助する北陸応援割。受付はそれぞれの旅行代理店や宿泊施設に割り当てられた予算に達すると終了することから、予約の確保を狙う人たちが朝早くから詰めかけました。
しかし…。
■窓口での対応
「(3月)12日、29日、4月の10日、12日。どこも空いてない」
「どこも?」
春休みの旅行需要も重なって、宿泊施設はあっという間に満室に。予定していた旅行先や日程を変更する人が相次ぎました。
さらにこんなトラブルも…。
■旅行代理店の従業員
「(電話が)つながらないです。NTTの自動音声が流れる」
NTT西日本によりますと、北陸応援割の影響で電話の利用が急激に増え、県内で一時電話がつながりづらい状況に。
■店の利用客
「土曜日が全部空いてなくて。直接電話しないとだめということで。電話してくれたけれどつながらない。平日、人数減らしてなんとか確保できました」
この代理店では開店から1時間も立たずに富山行きの旅行の受付を終了。まさに「応援割争奪戦」となりました。
■予約を確保できた人
「2人で1万円(割引)ということで、それでもう(受付は)終わりということだから、全然枠がないんでしょうね。一番に並んでよかった」
■日本旅行ワールド 米松店 大沢正美代表取締役
「この週末で正直(全ての予約枠が)なくなってしまうかなという予測。旅行業も大変だったが、少し明るい芽が出てきた」
一方、あわら市の温泉旅館グランディア芳泉では…。
■電話での対応
「北陸応援割引のご利用ということでのお問い合わせでございますか?大変申し訳ございません」
受け付け開始とともに電話が殺到。女将や従業員が総出で対応に追われました。
■グランディア芳泉 山口高澄常務
「開始と同時に電話回線が埋まっておりまして。大変申し訳ないですが、電話対応できないくらい、回線がストップするぐらいの勢いで電話を頂戴しています」
開始から30分ほどで、3月16日からゴールデンウイーク前までの予約が満室に。旅館では予約の受付を断る状況となっています。
■グランディア芳泉 山口高澄常務
「年始からのキャンセルと新規予約が止まったことがあったので、一時期落ち込みはあったが、来たる新幹線に向けて、北陸・福井は元気という発信に変えていきたい」
追い風は嶺南にも。若狭町の観光名所熊川宿では、一棟貸しの古民家宿の予約が右肩上がりに。3月20日にオープンするキャンプの楽しめる宿泊施設「山座熊川」でも予約が急増しています。
■運営会社の担当者
「新幹線が通ることで移動距離、移動時間がだいぶ短縮されると思う。そういった面で滞在時間を長く取っていただいて、より一層楽しく長い時間過ごしていただけたら」
能登半島地震の影響で客足が落ち込んだ県内。新幹線開業と北陸応援割のダブルの効果で、明るい兆しが見えてきています。