小倉昭和館にファンの笑顔 全国から支援で上映会 グランドオープンは19日 北九州市
去年8月、北九州市小倉北区の旦過市場一帯を襲った2度目の大規模火災、全焼した老舗映画館『小倉昭和館』が再出発します。
同じ場所で再建し、プレオープンを迎えた8日、多くの笑顔が戻ってきました。
旦過市場そばのこれまでと同じ場所に再建された小倉昭和館には、プレオープンを前に8日朝、再出発を待ち望んでいた多くのファンの列ができていました。
■訪れた人
「新しい出発を一番に見たいと思い、友だちと早く来ました。本当にうれしいです。よかった。」
■訪れた人
「自分たちの居場所みたいな感じで来ていたので、それが形は変わるけれど、こうやって新しいスタート切れたのでうれしく思っています。」
小倉昭和館は旦過市場のすぐそばで83年間営業してきた映画館です。
しかし去年8月、旦過地区を襲った大規模火災で全焼しました。
一度は再建をあきらめていましたが、全国のファンから約1万7000人の署名と4000万円を超える支援が集まり、再建にこぎつけました。
8日のプレオープンには、抽選で選ばれた約100人が招待され、無料の上映会が開かれました。
■小倉昭和館 3代目館主・樋口智巳さん
「1年4か月ぶりに復活しました。この昭和館は、皆さまの支援・応援で作ってもらった“皆さまの映画館”です。」
チケット売り場に掲げられたのは、あの日、大火に飲み込まれたネオン看板です。焼け残ったネオンをよみがえらせました。
新たな仕掛けも用意されています。
劇場でファンが探しているのは、お気に入りの俳優や監督たちの名前が入った「映画人シート」です。小倉昭和館にゆかりのある人の名前が刺繍されています。空いていれば誰でも通常料金で座ることができます。
■訪れた人
「絶対ここに座りたくて来ました。(Q.誰を選んだ?)光石 研さん。格別です。」
上映された作品は、不朽の名作『ニュー・シネマ・パラダイス』です。火災から再建された映画館をめぐる物語です。
■樋口さん
「居心地のいい温かい場所にしていきたい。旦過市場の人と手を取り合っていければいいと思っています。」
あの火災から1年4か月、再び歩みだした小倉昭和館のグランドオープンは12月19日です。